岩手県大槌町で激しく燃え上がる炎。
4月22日に発生した岩手・大槌町の山林火災は、いまだ鎮圧のめどが立ちません。

避難指示の対象は、全町民の3割を超える3257人に。焼失面積は約1373ha、すでに東京・墨田区とほぼ同じ面積が焼けてしまっている計算になります。
週末に「ノンストップ!」取材班が現地に入ると、収まらない火に、住民の間で不安が広がっていました。
取材中炎を発見 消防団員「きのう消火したが…」
取材スタッフ「町中が白っぽく見えます…、車内もちょっと煙っぽい感じします?」
カメラマン「うん、煙いですね」
音声「内気(循環)にしてるんですけどね」

車内までにおいがするほど充満した煙。

向かったのは、大槌町吉里吉里地区。
25日時点では、炎が広範囲に広がったのか、地区を囲うように山から煙が上がっていました。
市街地を車で走ると、地区内では火災の影響で通行止めも発生。
その現場の取材中…。
取材スタッフ「あ、あ!山の中…」
カメラマン「どこ?」
取材スタッフ「あそこ、あそこ、炎、炎が…、道路のすぐそこに炎がありますね。まさに山が今燃えていますね。どうしたらいいんだろう」
道路沿いで、草木が燃えているのを発見。急いで近くにいた消防団に報告すると消火にあたってくれることに。他の箇所にも広がっていたため応援部隊も到着。

大槌町消防団員:
残り火ですね。
――この辺、一度は消火した?
大槌町消防団員:
そうです、そうです。そうです。きのう(24日)、消火しましたね。

消防団によると、ここは一度は消火した場所でしたが、「残り火」が火種となり再び燃えたといいます。

約15kgの水を担ぎ消火にあたる消防団員たち。火は約30分後に消し止められました。
山林火災、地震、そしてクマの“トリプルピンチ”
その様子を不安そうに見つめていたのは、地元で運送業を営んでいるという山﨑さん。

運送業・社長 山﨑武さん:
15 年前、震災も経験してますので、逃げ時は自分で判断しようと。
吉里吉里地区は、2011年の東日本大震災の地震と津波により約100人が犠牲になりました。

今回、避難所に指定された公民館は、津波による浸水後、復興工事が行われた場所に新たに建てられたそうで、東日本大震災の際の備蓄品が、今回の避難時に役立ったそうです。
一方で、津波とは違う災害だからこそ対応に戸惑う部分も。

近隣住民:
津波だったら高いところで、(避難)できるけどね。山が燃えてるんで、逃げようがないっていう。それだけ怖い。
「津波は高いところに避難する。でも山林火災はどのように避難すればいいのか?」という戸惑い。
さらに4月20日に発生した三陸沖地震を受けて、後発地震注意情報が出されている大槌町。
火災と地震、実はそれ以外にも不安材料が。

近隣住民:
地震あって今度山火事でしょう。あとはまあクマ。割とここ出るんですよ。いつ人里に行くんじゃないかとか。私が思うにトリプルピンチっていうか。

今「ツキノワグマの出没に関する警報」が発令されている岩手県。
岩手県によるとツキノワグマの2026年1月から3月までの出没件数は197件と過去5年間の平均と比較して約6倍になっているそうです。
避難のタイミングに悩む母娘を取材
そんな中出会ったのは、まだ避難をせず、自宅待機中だという40代の女性。

近隣住民(40代):
あそこが吉里吉里保育園なんですけど、(一時)あそこの近くまで火が上がっていたので、ちょっと怖かったですね。

23日の未明、家の周辺で大きな火柱を発見し、避難するか判断に迷ったといいます。
結局、保育園まで火の手はまわらなかったものの、炎の行方が気になりなかなか眠れなかったそう。
この日も別の方角で上がり始めた煙を見て、改めて一緒に暮らす母親と避難のタイミングについて話すことに。

娘:
こっちはどこまで来たら避難するっていう。
母:
どうするって
娘:
なので、まあ、ちょっと4丁目、あっちの住宅に火がつき始めたら、まあ、あの、いよいよ避難しましょうかっていうかな。

娘:
スーツケースにいろいろ、日用品で使う物、必要そうな物をつめてます。着替えとか。とにかく暖かく過ごせるようなお布団とか積んでます。

とにかく何日間か避難所で過ごせるようなものがいいのか、また、津波とかの防災と違うのか、ちょっともうわかんなくなっちゃって。一瞬何が大事なのか、分からなくなってしまった。
一方で、お母さんが口にしたのは、過酷な災害を乗り越えたからこそのことでした。

母:
死んだら終わりだから、生きていなきゃみたいな感じで、ものはもういいやみたいな。どうにかなるわと思って

実は、東日本大震災の時に自宅を津波で流された経験があるお母さん。
現在の家は震災後2017年に再建したといいます。
母:
仕事して十年間でこんな寄り集めたのにさ、ああと考えればあれだけど、もうそういうのはもう一切考えないで、本当に、命だけだなあと思って
(「ノンストップ!」4月27日放送より)
