岩手県大槌町で4月22日に発生した山林火災は、26日で5日目を迎えた。小鎚地区と吉里吉里地区で続く火災は焼失面積が1373ヘクタールに拡大し、避難指示の対象も3257人に増加している。鎮圧が見通せない中、懸命な消火活動とともに、避難生活を支える支援の輪が広がっている。

延焼続く山林火災の現状

4月26日午前に撮影された大槌町の山林火災現場上空の映像では、前日よりも内陸側へ煙が進んでいる様子が確認された。

岩手・大槌町の山林火災現場上空の映像(26日午前)
岩手・大槌町の山林火災現場上空の映像(26日午前)
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山林火災は町内の小鎚地区と、約10km離れた吉里吉里地区周辺で相次いで発生し、26日で5日目となった。

岩手・大槌町山林火災焼失面積1373ヘクタールに
岩手・大槌町山林火災焼失面積1373ヘクタールに

県などによると、ヘリコプターで上空から目視で確認した焼失面積は、小鎚地区が338ヘクタール、吉里吉里地区が1035ヘクタールで、合わせて1373ヘクタールに上る。25日朝からは92ヘクタール拡大しているという。(26日午後3時時点)

避難指示拡大と住民の不安

住民からは「山が目の前で高くて全然見えないから、一体どこまで火が来ているのか不安」という声が聞かれた。

住民が不安の声
住民が不安の声

26日朝の町の会見で、平野公三町長は「住居に近い際については、しっかりと防御をしていただいている」と述べ、住宅地への延焼は抑えられているとの認識を示した。

大槌町・平野公三町長(26日朝の会見)
大槌町・平野公三町長(26日朝の会見)

一方で、町の中心部から北西側にある桃畑地区や柾内地区、北東側の浪板地区などに延焼が広がっていることが報告された。

岩手・大槌町の山林火災現場上空の映像(26日午前)
岩手・大槌町の山林火災現場上空の映像(26日午前)

避難指示の対象は、新たに追加された長井地区の17世帯・24人を含め、1558世帯・3257人に拡大しており、町の人口の約3割に当たる。避難生活の長期化も懸念されている。

避難生活支える支援の輪

こうした中、災害時に派遣される介護や福祉の専門職チーム「DWAT」が26日から活動を開始した。介護福祉士やケアマネージャーなど7人が避難所を巡り、住民の健康管理や生活環境の整備に当たっている。

災害派遣福祉チーム「DWAT」活動開始
災害派遣福祉チーム「DWAT」活動開始

避難所の一つ、城山公園体育館では、床での睡眠による身体への負担を軽減しようと、段ボール製ベッドが運び込まれ、組み立て作業が行われていた。

DWATの千葉正道コーディネーターは、「現状、床で寝ている人は腰が痛いだろうなと思う。その部分をどう対応していくかが課題」と話している。

鎮圧見えぬ中、夜通し消火

町内では民間による支援も広がっている。
入浴施設「ますと乃湯」では、25日から避難している人を対象に無料の入浴券を配布しており、26日も汗を流しに訪れる人の姿が見られた。

入浴施設「ますと乃湯」
入浴施設「ますと乃湯」

避難者は「2日3日くらい風呂に入っていなかった。無料券というので入ってきた」と話した。

ますと乃湯の尻石国博支配人は「(避難者は)憂鬱な気持ちになっている。店に来ていただいて、リセットしてあげたい」と避難者に寄り添っていた。

岩手ビッグブルズといわてグルージャ盛岡の選手たちが募金活動
岩手ビッグブルズといわてグルージャ盛岡の選手たちが募金活動

また、盛岡市の盛岡タカヤアリーナでは、バスケットボールB2リーグの試合前に、岩手ビッグブルズとサッカー・いわてグルージャ盛岡の選手たちが募金活動を行った。

岩手ビッグブルズの石川晴道選手は「少しの力が(被災した)皆さんのエネルギーになれたらいいと思う」と話していた。

岩手・大槌町上空から撮影(26日昼頃)
岩手・大槌町上空から撮影(26日昼頃)

いまだ鎮圧が見通せない中、消防などは約1500人態勢で、夜を徹して消火活動を続けている。

岩手めんこいテレビ
岩手めんこいテレビ

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