鳥取・米子市の公園の「サル飼育」をめぐり、指定管理者に便宜を図る謝礼として現金100万円を受け取ったとして、4月に現職の市議が逮捕された。

公園で飼育するサルの頭数を削減するよう市議会で質問するよう請願されて、その見返りに現金を受け取った疑い。捜査に支障があるとして認否は明らかになっていない。

贈収賄事件の“舞台”となったサル舎
贈収賄事件の“舞台”となったサル舎
この記事の画像(5枚)

贈収賄事件解明と同時に残された難題…

現職の議員の贈収賄事件は、市政への信頼を大きく揺るがせた。

事件そのものの解明と責任追及が進む一方で、市にはもう一つの難題が残されている。公園で飼育されてきたサルたちを、今後どのように扱うべきかという問題だ。

現職議員逮捕という衝撃が走った米子市議会
現職議員逮捕という衝撃が走った米子市議会

猿回し業者などに譲渡のケースも…頭数削減方法に賛否

市は、飼育費の増大や施設の老朽化、度重なる脱走などを理由に、頭数削減を進めてきた。実際に一部のサルは他団体へ譲渡され、結果として飼育数は減少したとされる。米子市によるとこれまでの譲渡先は猿回し業者など、サルを扱う民間事業者だそうだ。

湊山公園で飼育されているサル
湊山公園で飼育されているサル

「専門的な知識と経験を持つ受け入れ先に託すことで、飼育環境が改善される可能性がある」「市の財政負担を減らしつつ、サルの命をつなぐ現実的な選択肢だ」といった意見もある。

公的施設で限界を迎えた飼育を、民間のノウハウで引き継ぐという考え方だ。

殺処分を減らすことにもつながる。

求められる行政判断の透明性

一方、動物福祉の観点からは、「興行目的での飼育が、本当にサルの幸せにつながるのか」という疑問が投げかけられる。訓練や移動、生活環境の変化によるストレスを懸念する声もある。また、今回の事件で浮き彫りになったように、行政判断の過程が不透明なままでは、どの譲渡先であっても市民の理解を得るのは難しい。

人間側の都合に翻弄される形に
人間側の都合に翻弄される形に

重要なのは、「頭数削減ありき」でも「譲渡反対ありき」でもなく、サルの命と市民の負担、そして行政の信頼回復をどう両立させるかを丁寧に考えることだろう。どこへ譲るのか、譲渡後をどう確認するのか、そもそも公園で動物を飼うとはどういうことなのか。今回の事件は、その議論を避けてきたツケを突きつけている。

サルたちは自ら行き先を選ぶことができない。だからこそ行政と社会が、透明な議論を尽くし、より納得度の高い選択を探る必要がある。事件を「不祥事」として終わらせるのか、それとも公園と動物のあり方を考え直す転機とするのか。今、その問いが私たちに投げかけられている。

(TSKさんいん中央テレビ 小泉陽一)

#山陰#ニュース#事件#フジテレビ#小泉陽一

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。