持続可能な飲食店へ。店と客をつなぐ新たなテクノロジー。
キーワードは「客の声」でした。

一時、年間200店出店するなど一世を風靡(ふうび)したステーキチェーン「いきなり!ステーキ」。
大量閉店など苦境に立たされた時期を越え今、新たなビジネスモデルで回復基調に。
その一端を担っていたのがAIを活用したアンケートサービスでした。

東京駅直結の商店街ヤエチカに入る「いきなりステーキ ヤエチカ店」。
その店内に置かれていたのは、スタートアップが開発した「RECOPO」という飲食店向けのAIを用いたアンケートプラットホームです。

来店客のアンケート内容を味や料理、接客など細かく分類しAIで可視化。
さらに自由記述の回答を自動で分析。
お店のよいところや課題をリアルタイムで明らかにし、改善まで提案するサービスを提供しています。

「いきなりステーキ ヤエチカ店」店では、アンケートの結果を受けて、説明に英語表記を加えたり、床のべたつきに対し洗剤を見直すことで客の不満を減らすことができたといいます。

内海輝幸店長は「なるべく(自発的に)気づくようにしているが、営業で忙しかったりするとなかなか気づいてあげられない。(AIアンケートは)“直接の言葉”なので気づけるようになりました」と話しました。

これまでの“何となくの判断”から、客の声というデータに基づいた“根拠ある改善”へ。

「Live News α」が取材中にも客から「ちょっと狭い…」「食べるときにめちゃくちゃ邪魔です。(隣が)知らない人だったらちょっと嫌」という声もありました。

こうした客の声は事実多く寄せられたといい、結果、2025年末にオープンした新たな店舗「いきなりステーキ 神田北口店」では「客1人当たりの幅を20cm増やす」など大きな変化が起きていました。
創業当時に近いヤエチカ店と新店舗を比べると、客と客の間隔の差は歴然です。

ペッパーフードサービス・立川康弘営業本部長:
従業員が少しでも楽になるように、(DX化で)作業を減らしてあげたい。減らすだけだとお客さまの満足度が下がるのも困る。(DX化を)やるべきかやらないべきか決断するところに、お客さまの生の声があるのが一番。お客さまが(決断を)後押ししてくれる。

3年以内の廃業率が70%以上といわれる飲食業界。
業務の効率化や省人化に向けたテクノロジーの進化が進む中、“客の声”のDX化はそれぞれの飲食店の“なりたい姿”を実現する手助けとなっていました。

アンケートプラットホームを開発したスタートアップ・DiningX 勝村風我代表は「お客さまの声というのは、飲食店ビジネスにおける心臓部分。接客をウリにしたいお店、提供時間をウリにしたいお店、価格が安いのをウリにしたいお店、飲食店のなりたい姿はいろいろある。ただテクノロジーを前に進めるのではなく、お客さまのニーズも捉えつつ時代の変化とともに何を残していくか、何を大事にしていくかに、われわれがパイプ役として入っていければ」と話しました。