5月5日の端午の節句に向けて、こいのぼりの生産現場は大忙しです。国内シェア約4割を占める岡山県和気町の製造会社を取材しました。そこには、社会に合わせて変化する伝統産業の姿がありました。
(松島直輝アナウンサー)
「今が生産の最盛期を迎えているこいのぼり。なんとそのサイズ25mの巨大こいのぼりの裁断が行われています」
岡山県和気町の創業79年の製造会社「徳永こいのぼり」。こいのぼりの生産では国内シェア4割を誇ります。端午の節句に向けて従業員は裁断や縫製などの作業に追われています。
◆大小約100種類の生産…人が中をくぐれる長さ25メートルの巨大なものも
この会社でつくっているのは、大小含めて約100種類。25メートルの巨大こいのぼりは中を人がくぐれるようになっていて、イベントで使われるということです。他にもこんなこいのぼりがあります。
(松島直輝アナウンサー)
「上品な黒を身にまとったこいのぼり全長は約4mでこの長さが外に掲げるこいのぼりの平均的なサイズと言われていますまた私の身長は170cmほどでこのサイズがベランダに掲げるこいのぼりの一般的なサイズとも言われています。また、室内こいのぼりは、てのひらの上に収まるサイズなんです。近年ではこうした10cm台の室内こいのぼりも登場しています」
◆ライフスタイルに合わせて商品開発…
庭のない集合住宅などで暮らす人が多くなる中、生産現場でもこいのぼりを少しずつ変化させています。一方、ここ最近の急激な社会環境の変化には戸惑いもあると言います。
(徳永こいのぼり 永宗洋専務)
「染める工程で飾る台に温める熱を持たせるがそこに原油を使うのでその高騰が価格にも影響している。こいのぼりの金箔を入れる時に溶剤を使うが溶剤も手に入りにくくなっていてそのような影響を受けている」
◆約100万匹の出荷見込むも…緊迫する中東情勢も影
伝統産業でも向かい風となっている物価高騰。さらに中東情勢の緊迫化で原油の輸送が影響を受けていて、関連する原材料の調達などにも懸念が高まっています。苦しい状況ですが、永宗さんは、世界中で戦争が行われている今だからこそ、子供の成長を願ってきたこいのぼりが持つ意味を発信したいと言います。
(徳永こいのぼり 永宗洋専務)
「戦争は平和にならないことの象徴。こいのぼりは逆に平和の象徴的な存在なので早く収まりみんなが幸せになることを望む」
この会社では2026年は約100万匹の出荷を見込むこいのぼり。社会の風を受けながら、多くの人を元気付けようとしています。