大崎市長選挙の投開票が4月19日に行われます。大きな争点は、人口減少対策や担い手不足に苦しむ農業の再興です。5期20年務めた現職が任期満了で退任するため今回の選挙で、2代目の大崎市長が選ばれることになります。
2006年、旧・古川市と6つの町が合併して誕生した、現在の大崎市。
そのとき、初代市長に就任したのが伊藤康志市長で、以来、5期20年にわたって市政を担ってきました。
伊藤市長は、今回の選挙には立候補せず、退任を表明。新人4人による選挙戦が繰り広げられています。
大崎市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも新人の、元大崎市議会議員・鹿野良太氏、48歳、農業・高島健一氏、67歳。元大崎市議会議員・藤本勘寿氏、32歳、元県議会議員・中島源陽氏、63歳の4人です。
鹿野良太氏(48)
「大崎市政をよりよい方向に変革していく。大崎の新時代をしっかり迎えていくこれを皆さまと一緒にやっていきたい」
高島健一氏(67)
「農業所得の向上がいの一番。活気ある大崎を作っていきたい、大崎の人に笑顔を取り戻したい」
藤本勘寿氏(32)
「大崎市が持っている可能性、これらを徹底的に生かすことで私はこの難局を必ず突破できる最高の大崎を必ず実現できると確信しております」
中島源陽氏(63)
「人を育てる、産業を育てる安心を育てる、この三本の柱で未来につなげる大崎を育てていきたい」
各候補者が課題に挙げる共通のテーマが、農業の再興です。
大崎市のコメ農家佐々木好昭さん、58歳。80歳の母と義理の父とともに、3人で農業を続けています。
大崎市では、合併後の20年間で、農業を取り巻く環境も大きく変わりました。
コメ農家 佐々木好昭さん
「この地域も農業者の数が激減していて、担い手に(空いた)農地が集まってきている。もう手に負えないのが現状」
県内有数のコメどころ、大崎市。
世界農業遺産『大崎耕土』を抱える一方で、人口減少や高齢化が進み、担い手不足は深刻です。
人口は、合併後20年でおよそ1万9千人減少。農家は合併前年に比べ、4割以上減少しました。
市では、ブランド米を生産する農家への支援や、新規就農者への相談窓口を設けるなど、担い手確保に向けた取り組みを進めてきましたが、農業人口の回復には、至っていません。
コメ農家 佐々木好昭さん
「田植え時期なんかは朝4時とか(から作業して)、夜8時過ぎても(田んぼに)水を入れたり止めたりほとんど寝ないでやっているようなときもある。問題視されている高齢化というのが現場レベルではものすごく深刻で、もう不安だらけですね。」
こうした課題に、候補者たちはどのように応えるのでしょうか。
鹿野良太氏
「しっかりとしたブランド農産品が地域から生まれること、これを目指していく。稼げる農業というものをしっかりと成立させることによって豊かな農村にしたい」
高島健一氏
「農業をしてみたいという人たちに農地を提供するとか、(農家の)コミュニティを作っていくことが必要」
藤本勘寿氏
「時勢に左右されない安定した販路を獲得すること、これが1番重要だと考えています。まずは仙台、東京が1つの販路と思っておりますので、市長自らその販路獲得のために動いていきたい」
中島源陽氏
「作る人と食べる人の直接の結び付き、つながりを作っていくことで、生産する側も安定して経営できる環境を作っていき、担い手が入ってきやすい状況を作っていきたい」
一方、地域全体の人口減少対策として注目されているのが、「ローコストアリーナ構想」です。
ローコストアリーナとは、構造などを簡素化し、建設費を抑えたアリーナで、村井知事は、去年の知事選で、1万人から1万5千人の収容が可能なアリーナの建設を公約に掲げていました。
様々なイベントを通じて交流人口の増加が見込め、大崎市でも先月、誘致に向けた協議会が立ち上がるなど、動きが具体化しています。
地域にもたらす影響を専門家は…
宮城大学・上森貞行准教授
「交流人口が増加し、周辺の産業が盛り上がる可能性があり、(仕組みを)上手く組み立てると、地域にとって経済的にプラスに働く可能性がある」
候補者たちは、誘致に賛成の姿勢を示しつつも、鹿野氏は、市民が日常的に集える場づくりの必要性を訴え、高島氏は、長期的な維持コストを明確にすべきとしています。
また、藤本氏は、収益の見通しを立てる必要性を唱え、中島氏は、活用法を事前に議論すべきとしていて、各候補が、慎重な検討の必要性を訴えています。
農業の担い手不足と、人口減少対策。こうした課題に誰が向き合い、解決していけるのか。次の大崎のかじ取り役を決める選挙は、4月19日に投開票が行われます。