「クレソン」大量発生

愛媛県松山市の住宅街を流れる川に、食用として知られる外来種の植物「クレソン」が大量発生。

専門家によると、原因は繁殖力の強さと生活排水だそうだ。

川の流れが悪くなり、洪水のリスクも指摘されている。

爽やかな辛みが特徴

松山市の潮見小学校近くを流れる吉藤川。

川を覆いつくさんばかりに植物が茂り、小さな白い花を咲かせている。

地元の住民:
「10年くらい前から、ものすごい繁殖しとりますね」
「これ、とって食べる人もおらいね」

実はこの植物、食用として知られる、「クレソン」だ。

正式名称を「オランダガラシ」といい、ヨーロッパ原産の外来植物で、爽やかな辛みが特徴だ。

レストランで肉料理などの付け合わせとして出される、なじみのある植物だ。

ヨーロッパ原産の外来植物
ヨーロッパ原産の外来植物
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上流からの生活排水が肥料に

そのクレソンがなぜ、川で大量発生しているのか?

植物研究の専門家・東雲短期大学の松井宏光名誉教授は、『生活排水』が原因だと指摘する。

東雲短期大学・松井宏光名誉教授:
「上流から栄養のある水が流れる。栄養と言ったらいい響きですが、実際には生活排水が流れてくる。それが植物にとってはいい肥料分になるので大繁殖します」

生活排水として川に流れ出た“人の食べ残し”などが分解され、リンや窒素などの植物の栄養になっているのだ。

松井教授によると、クレソンはちぎれた茎や葉からも再生するほど、繁殖力が非常に強く、大きくなれば高さ2メートル、茎は人の手首ほどの太さにもなるという。

生態系への影響が危ぶまれ「生態系被害防止外来種リスト」に挙げられている。

リンや窒素などが植物の栄養に
リンや窒素などが植物の栄養に

たった5カ月で緑のじゅうたんに逆戻り

取材中、近くの住民が見せてくれたのは、繁殖力の強さを示す一枚の写真だ。

愛媛県が去年11月に治水対策として川底の土砂を撤去する際、クレソンも一緒に除去され、川はすっきりとして緑は全く見られない。

それが、たった5カ月で緑のじゅうたんに逆戻り。

さらに川のそばの水路の一部も完全に塞いでしまっている状況だ。

地元の男性:
「どうしても狭いから、雨が降ったときにあふれる可能性があるんでね。こないだは近所の者同士が結構取ったんやけどね」

5カ月前にクレソンも一緒に除去したが…
5カ月前にクレソンも一緒に除去したが…

増殖を続けるクレソンに住民からは不安の声も

増殖を続けるクレソンに住民からは不安の声も。

地元の女性:
「さっきも(娘が)お魚とかカメとか泳いでるの見てたので、見えなくなっちゃうのもさみしいなと」

地元の高齢男性:
「クレソンがかたまって流れた場合、どこかに止まって、水がようけ流れたときにね、詰まってしまうかもしれんから、それが気がかり」

地元に50年住む住民も心配を語る。

「水が詰まるかも…」住民も心配顔
「水が詰まるかも…」住民も心配顔

専門家も洪水リスクなど指摘

専門家も警鐘を鳴らす。

東雲短期大学・松井宏光名誉教授:
「川の水が十分に流れきらないで、堤防を越える洪水リスクも可能性としてはある。成長の初期の段階で取ってしまう(のが一番の対策)。全部取るのは難しいかもしれませんが、何回か繰り返せば完全に除去することは可能です」

川を管理する県の河川砂防課は、土砂の撤去など必要な治水対策は行っているため、現時点で、安全性には問題ないとしている。

また松井教授によると、川に生えるクレソンは食べられないことはないそうだが、寄生虫や細菌感染のリスクがあるため、食用は十分注意が必要だ。

成長の初期の段階で何回か繰り返せば除去は可能
成長の初期の段階で何回か繰り返せば除去は可能
テレビ愛媛
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