京都府南丹市の山林で安達結希さん(11)の遺体が発見された翌々日、警察は死体遺棄容疑で、安達さんの自宅に家宅捜索に入った。
関西テレビ「newsランナー」では、元京都府警・捜査一課長の樋口文和さんと、元静岡県警科捜研で関西国際大学教授の中山誠さんが、今後の捜査の展開を詳しく解説する。
■”家宅捜索”というより”検証”的な性格が強い作業
家宅捜索は4月15日午前7時ごろから始まり、9時間以上にわたって作業が続いたということだ。
警察車両は約4台が敷地内に確認され、敷地内のビニールハウス付近では捜査員が作業する様子も見られた。
また、捜査員がメジャーで何かを測ったり、ボードに書き込みをしたりする場面も確認されたという。
こうした動きについて、樋口さんは「家の大きさや、さまざまなものがどのあたりにあったかをメジャーで測り、位置取りをしている」と説明した。
これは”家宅捜索”というより”検証”的な性格が強い作業だという。

■「絞殺なら、ひも・ロープ・失禁の痕跡が証拠になる」
樋口さんは捜索の狙いについて、「まず、この死が解明できる資料を押収すること。これに尽きる」と語った。
押収対象として想定されるものとして、心情をつづったメモや日記のほか、絞殺の場合はひもやロープを挙げた。
さらに「絞殺の場合は失禁という形で出てくる。そうなれば、そのあたりが犯行現場ではないかという見立てで行う」とも述べた。

■「車の土と靴底の土が一致すれば、車の使用を裏付ける」
捜査上の重要なポイントとして、両専門家が口をそろえて挙げたのが”車”と”土”だ。
中山さんは、靴底についた土と車内に付着した土を照合することで、何が分かるかを解説した。
【中山誠さん】「車の中にあった土と、発見された靴の土が一致した場合、安達さんが車に乗っていた可能性が浮かぶ。
靴が発見された現場の土が車の中についていたとなれば、その場所への移動に車を使用した可能性が出てくる。
捜索のための資料の押収というより、犯行を裏付ける方向で進んでいると思う」

■「急展開ではなく、最初から複数ラインで捜査は進んでいた」
今回の事案は以下の経緯をたどっている。
・3月23日:安達さんが行方不明に
・3月29日:通学用カバンが発見
・4月12日:子供用の靴が発見
・4月13日午後4時45分ごろ:遺体が発見、安達さんと判明
・4月14日:司法解剖
・4月15日午前7時ごろ:自宅で家宅捜索開始
この流れを「急展開」と表現する声もありますが、樋口さんは「捜索と捜査は当初から同時に動いていた。捜査は水面下に潜って進んでいた」と指摘した。
ジャーナリストの鈴木哲夫さんも「3日目ぐらいから、ある程度方向を定めて捜査をしていた。リュックが見つかった翌日、メディアが一斉に近くの池に向かった裏でも、別のラインで捜査が進んでいた」と語った。
樋口さんはその”別のライン”について、「捜査員の独自の活動で得た、証拠的な成果物から、キーワードが”山”と”車”になってきた」と述べた。

■「円を広げつつ、容疑者を絞り込んでいる」
中山さんは、捜索の広がり方を独自の視点で分析した。
「自宅裏山から始まり、円を広げるように靴が見つかり、さらに遺体へとつながった。これは表面上は”広がって”いるように見えるが、実は車の絞り込みで動いていて、『これは違う』『これも違う』と可能性を潰しながら容疑者を絞り込んでいる動きだ」と語った。
これに対し樋口さんも、ドライブレコーダーの映像確認が捜査の一端を担ったと示唆した。
【樋口文和さん】「車がどのあたりから動いたか、”前足”となる部分の捜査として、ドラレコを見ていったら、こういった山の動きなどをポイントにしたのではないかと感じる」

■「死体遺棄容疑は入口。殺人の立証へ向かっていく」
今回の家宅捜索が「死体遺棄」容疑で行われていることについて、樋口さんは「これは入口だ」と明言した。
「ここから殺意・殺人の立証をしていくために、この容疑で捜索を続け、いろんな糸口をつかんでいく。そういう形になるだろう」と語る。
中山さんも「靴の発見だけでは死体遺棄にはならない。遺体が発見されて初めて刑事事件としての死体遺棄容疑が成立し、家宅捜索も可能になる。遺体が発見されてその翌日に家宅捜索というタイミングは、そういう流れだ」と補足した。
(関西テレビ「newsランナー」2026年4月15日放送)

