立山黒部アルペンルートの全線開通初日となった15日、電鉄富山駅では夜明け前から国内外の観光客が続々と列を作り始めた。チケットを求めて午前2時から並ぶ外国人観光客の姿もあり、駅は開通初日ならではの熱気に包まれた。

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夜中の2時から並ぶ観光客たち

午前3時ごろ、まだ辺りが暗いうちから電鉄富山駅の窓口前には観光客の列ができ始めていた。窓口の営業は始まっていないにもかかわらず、タイや香港、イギリスなど世界各地からの旅行者が次々と足を運んだ。

タイからの観光客は「雪の壁と黒部ダムを見たい。アルペンルートに行けるのはこの日しかないので、チケットを買うために並んでいる」と話し、並び始めた時刻を聞くと「午前2時」と答えた。香港からの観光客も「開通初日だから、チケットを買うために早く来た。早めに上がって、雨にあわないようにしたい」と意気込みを語った。

これほど多くの外国人が早朝から集まった背景には、SNSの存在がある。立山を観光するためのノウハウがSNS上で広く拡散されており、「ウェブ予約ができなかった場合、全線開通の初日一番列車で登るのがねらい目」という情報が国際的に共有されていたという。

「イギリスの山には雪がない」—雪の壁に魅せられた世界の旅行者

イギリスからの観光客は「雪の壁を見たい。高い。普段には見られないもの」と感嘆し、「イギリスにはない。山の高さも500メートルから700メートルほどで雪もない」とアルペンルートの非日常的な魅力を語った。

話を聞いている間にも列はさらに伸び続け、午前4時30分に電鉄富山駅の営業が始まった時点で、観光客の列は100人を超えていた。駅員から日本語と英語で案内を受けた後、観光客はようやく待望のチケットを手にした。

新列車「スーパーたてやま」、乗客の9割がインバウンド

この日はインバウンド客でにぎわう中、別の目当てで訪れた人々の姿もあった。鉄道愛好家たちが目を向けたのは、15日に初めて運行された富山駅と立山駅を結ぶ直行便「スーパーたてやま」だ。

富山地方鉄道によると、「スーパーたてやま」の1番列車には定員133人を上回るおよそ150人が乗車する盛況ぶりで、そのうち約9割をインバウンド客が占めた。富山地方鉄道鉄軌道部営業課の住田直磯課長代理は「この時期は海外のお客様を中心に立山線を利用してもらっているので、かなりの人数を動員して、フル体制でお客様をお迎えしようと考える」と述べ、受け入れ態勢の強化を強調した。

全線開通した立山黒部アルペンルート(15日)
全線開通した立山黒部アルペンルート(15日)

全線開通初日から世界中の人々を引き寄せる立山黒部アルペンルート。夜中の2時から並ぶ観光客の姿は、富山が持つ観光資源の底力を改めて示していた。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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