何の前触れもなかった。
石川県金沢市二俣町を走る県道211号で、縦横10メートル、深さ10メートルにわたって路面が下の川へと抜け落ちた。通行中の車1台がパンクし、直後に道路が崩落するという間一髪の事態。人身事故は奇跡的に免れたものの、地元住民の生活を直撃し、スクールバスの運行にも影響が及んだ。

深夜の崩落、車1台がかろうじて難を逃れた

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陥没事故が発生したのは、石川県金沢市二俣町にある県道211号。森本方面と二俣方面をつなぐこの道路は、地元住民にとって欠かせない生活路線である。

崩落の規模は凄まじい。縦横それぞれ10メートル、深さ10メートル——まるで道路の下が丸ごと消えたかのように、路面が下を流れる川へと落ち込んだ。

11日午前0時25分頃、警察に一本の電話が入った。

『車がパンクし、直後に道路が陥没した』

警察が現場に駆けつけると、道路には大きな穴が開いていた。実はこの道路、今回が初めての異変ではなかった。地元住民などによると、2024年1月の能登半島地震でひびが入っていたという。そして、今年1月、今回崩落した部分とは反対側の道路が崩落。モルタルなどで補修を施した上で片側交互通行となっていたのだ。

保育園児もスクールバスも迂回——地域住民の暮らしを直撃

通行止めの影響はすぐさま地域の日常生活に波及した。
二俣地区にあるみずほ保育園では、園児や職員が大きく迂回して登園しなければならない事態となった。「15分ぐらいで着くんですけど、30分以上かかりますね」と語るのは、森本地区から子供を通わせている園児の母親。

「早く出なきゃいけないのと、子どものいつものルーティーンが早くなることによってちょっと崩れるので。ね。早く直してほしいね」——子育て中の保護者にとって、朝のルーティーンが乱されることは決して小さな問題ではない。

同じく二俣地区にある医王山小中学校の子どもたちにも影響が出た。スクールバスが大きく迂回を余儀なくされたのだ。

通常であれば、不動寺で子どもたちを最後に乗せた後、陥没事故が起きた県道を通り、午前8時ごろまでに学校へ到着する。しかし陥没事故が起きた翌朝、スクールバスは山側環状へと大きく迂回しなければならず、いつもより15分ほど遅れて学校に到着した。

医王山小中学校は、金沢市内全域から通うことができる金沢市の小規模特認校だ。遠くは金沢市の戸板地区まで子どもたちを迎えに行っているという。皆川美都子校長は「安全が確認できるまでの間、迂回をして30分ほど遅らせるという。始業自体は変わらないんですけれども。陥没があった場所ではない場所でも同じようなことが起こる可能性もあると思いますので、いろんなことに万全を期して安全に努めていきたいと思っております。」と話していた。

スクールバスを運行する医王山福祉会の寺山建夫理事長も状況を語った。「今回のことで回り道しないかんもんですから、時間的なことがちょっと気になっていたんですけど、8時20分かからんくらいまでに入りましたんで。ほっとしてるとこなんです」。そして、こう続けた。「地元にしてはちょっと一大事に近い。農道とかね、回れば回り道あるんですけど、もちろん大きな車は通れませんし。なるべくなら早めに復旧をしていただきたいなっちゅうのが、地元の願いですね。」

農道を使っても大型車両は通行できない。迂回路は限られており、地域全体が深刻な影響を受けていることが伝わってくる。

山野知事が現場視察、「できるだけ早く安全確保を」

13日午前、山野知事を乗せた車が現場へと到着した。知事は木村康博土木部長から事故の概要や復旧方針について説明を受け、現場を直接視察した。
説明を受けた際、山野知事はまず「人身事故がなくて良かったですね、ほんとに」と口にした。一台の車がパンクし、直後に道路が崩落したという状況を考えれば、人的被害が出なかったのは不幸中の幸いだった。

県によると、道路の下にある岩盤を素掘りした水路に森下川の支流が流れており、それによって盛土が削れ、道路が崩落したのではないかと言う。今年1月に一部が崩落し、モルタルなどで補修し、現場は片側交互通行となっていた。その後、県は3回にわたって目視などで点検を実施したが、いずれも異常は発見されなかったという。

山野知事は復旧に向けてこのように述べた。「できるだけ早くに安全を確保した上で、通ることができればと思ってます。いつまでにということは今の段階で申し上げることはできませんが、工事の進捗状況を確認しながら、目処が立った段階でご報告したいというふうに思っています。」

具体的な復旧時期については明言を避けたものの、早期復旧への姿勢を示した。さらに県は同様の素掘りされた水路の上に道路が走っている場所が無いか調べた上で、同様の道路があれば点検を進める方針も示した。

深夜、片側交互通行で供用中の県道が突然崩れ落ちた。通行中の車のパンクが先か、崩落が先かという際どいタイミングで、奇跡的に人命は失われなかった。現場の復旧を急ぐと共に、同様の道路がないのか、早急な点検が求められる。

(石川テレビ)

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