プレスリリース配信元:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:前田 桂、以下ロシュ)は、全国の30~60歳の女性2,047名を対象に「子宮頸がん検診に関する意識調査」を実施しました。本調査は、子宮頸がん検診の未受診者が抱える心理的・物理的障壁を明らかにし、受診への行動変容を促すきっかけを探ることを目的としています。
【調査結果 ハイライト】
- 未受診者の主な理由は「なんとなく」が43.3%で最多、次いで「忙しい」(11.9%)
- 2024年度から一部の市町村で導入された「HPV検査単独法(HPV検査)」の認知度は、未受診者間で20%に留まる
- 「2年に1回の検診」から「5年に1回のHPV検査」となる場合、未受診者の41.1%が「受診しようと思う気持ちが強くなる」と回答し、前向きな意向を示した
現在、国のがん対策「第4期がん対策推進基本計画」において、子宮頸がん検診の受診率目標は60%¹⁾と定められています。また世界的には、世界保健機関(WHO)は2030年までに子宮頸がんを撲滅するため、高精度な検診受診率70%²⁾を目標に掲げています。しかし、日本の子宮頸がん検診の受診率は43.6%³⁾に留まっており、目標達成には大きな乖離があります。
30歳以上の女性を対象とした今回の意識調査では、直近2年間の未受診要因として「なんとなく」(43.3%)が最多、次いで「忙しい」(11.9%)という理由により受診に至らないことが明らかになりました。一方で、これまで2年に1回だった子宮頸がん検診を、精度を保ったまま5年に1回に延ばすことができる「HPV検査」の提示により、直近2年間未受診の41.1%が受診に前向きな意向を示しました。
ロシュは、子宮頸がんに関する製品を扱う診断薬メーカーとして、忙しい日常を送る女性たちが自らの健康を守れるよう、最新のソリューションの提供と検査に関する正しい情報提供に努めています。今後もより一層、子宮頸がん検診の受診率の向上と子宮頸がんのない社会の実現に向けて注力してまいります。
【調査概要】
調査テーマ:「子宮頸がん検診未受診層が抱える課題」と「HPV検査単独法の受容性」
調査対象:全国30~60歳女性個人 2,047名
調査期間:2025年11月28日~12月1日
調査主体:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
調査実施機関:株式会社インテージ
調査方法:インターネット調査(人口構成比に合わせたウェイトバック集計を実施)
【調査結果 ハイライト(図表1~4)】
1.未受診者の主な理由は「なんとなく」が43.3%で最多、次いで「忙しい」(11.9%)
直近2年以内に子宮頸がん検診を受けていない理由は「なんとなく」(43.3%)が最多となり、次いで「忙しい」(11.9%)、「症状がないため」(11.4%)と続きます。未受診期間が長くなるほど「なんとなく」の割合が高まる傾向も確認されました。2番目に多い理由である「忙しい」については、前回は3~5年以内に検診を受診した層はその割合が22.1%に達し、2年以内受診なしの全体平均(11.9%)を大きく上回っています(図表1)。この層にとっては、時間的な制約が受診の大きな物理的障壁となっていることがわかります。
一方で、直近2年間は受診していないものの、過去に受診経験のある層の8割以上が「定期的な受診の必要性」を認識しています(図表 2)。この「定期受診の必要性に対する高い認知」と「実際の行動」のギャップを埋めるためには、個人の意識啓発に留まらず、受診を阻む心理的・物理的なハードルを構造的に改善し、受診停滞期にある層を具体的な受診行動へと促すことが必要と考えられます。
(図表 1)直近2年以内に子宮頸がん検診を受けなかった方へお伺いします。子宮頸がん検診を受けなかった理由を教えてください。(最もあてはまる理由)

(図表2)あなたは、子宮頸がん検診は定期的に受診が必要なことをご存知ですか。

2.2024年度から一部の市町村で導入された「HPV検査単独法(HPV検査)」の認知度は、未受診者間で20%に留まる
国内では2024年4月より、厚生労働省の指針に基づき一部の市町村では「HPV検査」の導入が始まりました。このことに対して「具体的な内容を知っている」、「ある程度知っている」のは未受診者間で20.0%に留まり、約8割がこの新しい選択肢を認知していないことが判明しました。一方で、2年以内に受診歴がある層では「HPV検査」の認知度が39.6%と、未受診者との間に約20ポイントの差があり、検診から遠ざかっている層と比較して、より積極的に検診に関する情報を受け取っていることわかります(図表3)。
(図表 3)子宮頸がん検診の新しい選択肢として、厚生労働省の要件を満たす一部の市町村で、2024年度4月から「HPV検査」が受診できるようになりました。あなたは、このことを知っていますか。

3.「2年に1回の検診」から「5年に1回のHPV検査」となる場合、未受診者の41.1%が「受診しようと思う気持ちが強くなる」と回答し、前向きな意向を示した
HPV検査は、従来の細胞診よりも高い精度でリスクを判定できるのが特徴で、検査結果が精密検査不要(HPV検査陰性)であれば、次回の受診期間を「2年に1回」から「5年に1回」に延ばすことができます。本調査において、この「5年に1回のHPV検査」の説明後、直近2年間未受診のうち41.1%が「受けようと思う気持ちが強くなる」と回答しました。さらに「忙しい」を比較的に高い割合で理由に挙げ、受診から近年遠ざかっている層(前回は3~5年以内に受診)では、61.9%が受診に前向きな意向を示しています(図表4)。従来の「2年に1回」の子宮頸がん検診に加え、「5年に1回」という新たな選択肢が増えることは、検診の受診率向上に寄与する可能性を示しています。
(図表 4)新しい選択肢「HPV検査(HPV検査単独法)」では、これまで2年に1度だった子宮頸がん検診を、精度を保ったまま5年に1回に延ばすことが可能とされています。検診の頻度が5年に1回になることで、あなたは子宮頸がん検診を受けようと思う気持ちに変化がありますか。

【知識・情報認知の状況(図表5~8)】
今回の調査では、子宮頸がん検診の未受診期間が長い層ほど、検診や疾患に関する知識・情報認知が低い傾向にあることも明らかになりました。例えば、子宮頸がんは「自覚症状がないまま進行すること」(図表 6)や「早期発見・早期治療で治ること」(図表 8)といった疾患リスクに関する知識が、直近2年以内に受診した層に比べて、未受診層の平均は20ポイント以上低いことがわかります。未受診期間が長い層に対しては、子宮頸がん検診の具体的な価値と、その重要性を浸透させていく必要があります。
(図表 5)子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染である。

(図表 6)子宮頸がんは、自覚症状がないまま進行することがある。

(図表 7)子宮頸がんは、妊娠や出産に影響が出る可能性がある。

(図表 8)子宮頸がんの早期発見・早期治療によって、高い確率で治る

【受診を促す最大の要因(図表9~10)】
直近2年以内に受診した層に、子宮頸がん検診を受診したきっかけを聞いたところ、主な要因は、「市町村からのクーポン・案内状」であることが明らかになりました(図表 9)。受診層の40.5%が受診のきっかけとして挙げており、これは「かかりつけ医からの勧め」(17.9%)や「職場からの勧め」(16.1%)を大きく上回っています。また、有職者に限定した場合でも「市町村からのクーポン・案内状」(36.8%)が最多となり、「職場からの勧め」(21.1%)よりも高い割合でした。これらの結果は、受診の準備や費用負担に関する障壁を取り除く具体的な情報提供が、受診の意思決定を後押ししていると考えられます。
さらに、市町村が実施する子宮頸がん検診の認知度を調査したところ、直近2年以内に受診していない層においても、76.2%が自治体検診の存在を「知っている」と回答しています。自治体検診に関する基本的な情報は広く浸透していることがわかります(図表 10)。一方で、自治体検診の認知度が高いにもかかわらず、受診に至っていない現状において、未受診者に実際の受診行動を促すには、心理的・物理的な障壁を取り除き「行動に移す」ためのさらなる具体的なアプローチが必要とされます。
(図表 9)直近の子宮頸がん検診を受診したきっかけはなんですか。(いくつでも)

(図表 10)会社の健康診断とは別に、お住まいの市町村が実施する子宮頸がん検診があることを知っていますか。

【医師の視点から】
今野 良先生(特定非営利活動法人 子宮頸がんを考える市民の会 理事長、自治医科大学名誉教授)
今回の調査結果で深刻に受け止めているのは、検診未受診の理由として「なんとなく(特に理由はない)」が4割を超えた(43.3%/図表1)という点です。未受診者が挙げる「なんとなく」という回答の背景には、過去のロシュの調査結果⁴⁾でも明らかになったように、疾患に関する基本的な知識不足や病気への無関心が潜んでいると考えられます。今回の調査でも、未受診期間が長い層ほど定期受診の必要性や疾患知識の認知度が低いことが判明しました(図表2、5~8)。成人女性が体系的に子宮頸がんについて学ぶ機会は限られており、自分事として捉えにくい現状があります。受診行動に繋げるためには、こうしたリテラシー向上だけでなく、物理的・経済的な障壁を取り除くことが極めて重要です。本調査からも、自治体による「クーポン・案内状」を用いた積極的な情報提供の役割が非常に大きいことがわかります(図表9)。
一方で、多忙などを理由に受診を先延ばしにしていた層(前回は3~5年以内に受診)において、精度の高いHPV検診でもたらされる「5年に1回のHPV検査」という選択肢の提示により受診意向が61.9%(図表4)にまで上昇したことは、大きな希望と言えます。WHOも推奨する高精度なHPV検査が新たなスタンダードとして日本の子宮頸がん検診に浸透することは、受診率向上への強力な後押しとなるでしょう。「5年に1回」というHPV検査の導入が多くの自治体に選択されることで、「なんとなく」や「忙しさ」を理由に受診から遠ざかっている層の行動変容を促し、停滞する日本の子宮頸がん検診の受診率(43.6%)³⁾向上に貢献することを期待します。
子宮頸がんは早期発見で防げるがんです。検診を後回しにして失うリスクは、あまりに甚大です。それはご自身の健康やキャリアだけでなく、家族と過ごす未来、そしてかけがえのない命そのものです。「なんとなく」という理由で検診を遠ざけるのではなく、定期的な受診によって、大切な未来を守る一歩を踏み出してください。
1) 厚生労働省「がん対策推進基本計画」
2) https://www.who.int/news/item/17-11-2020-a-cervical-cancer-free-future-first-ever-global-commitment-to-eliminate-a-cancer
3) 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」
4) 子宮頸がん検査の知識が「あまりない」「全くない」と回答した日本人女性は 7 割以上、 APACの8つの国と地域中で最も知識が不足している結果に 女性の健康管理に関する APAC8カ国・地域の意識調査 https://www.roche-diagnostics.jp/media/releases/2025-4-7
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社について
ロシュは、1896年にスイスのバーゼルで創業した、150以上の国や地域に拠点を持つ世界最大級のヘルスケアカンパニーです。医薬品と診断薬を併せ持ち、医療従事者や患者さんの最適な治療選択や意思決定をサポートしています。ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、ロシュ診断薬事業部門の日本法人です。検査を通じて自分自身の今を知ることで、人生において自分らしい決断ができる、という信念のもと、革新的な診断ソリューションの提供を通して、予防・診断・治療・予後のすべてのステージで人々に寄り添い続けています。2026年4月現在で全国8都市にオフィスを有し、体外診断用医薬品・医療機器事業、研究用試薬・機器事業などを幅広い疾患領域で展開しています。
詳細はホームページ http://www.roche-diagnostics.jp をご覧ください。またロシュのインスタグラム @roche_diagnostics_japan(https://www.instagram.com/roche_diagnostics_japan/)もフォローしてご覧ください。
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