「宅配便の受け取り方」が、いま大きな転換点を迎えている。
政府はおととい(3月31日)閣議決定された「総合物流施策大綱」で、玄関先に荷物を届ける「置き配」や宅配ボックスなど、人と人が対面しない「非対面」での受け取りを2030 年度までにおよそ 50 %へと倍増させる方針を打ち出した。
去年 2 月時点で、大手宅配事業者 3 社における非対面方式での受け取りは約 25 %。その比率を、6 年足らずで 2 倍に引き上げようという構想だ。
■「お客様からの問い合わせ約3倍ほど」玄関先に置ける『宅配ボックス』
こうした動きの中で、注目されているのが宅配ボックスだ。
大阪市内のホームセンターでは、玄関先に簡単に設置できるタイプの宅配ボックスを全部で 10 種類程度取り扱っている。
価格は安いものでもおよそ2万円で、盗難や雨風を防ぐことができる。
担当者は「以前に比べると、約 3 倍ほどのお客様からの問い合わせがきています。配達の問題に対して、お客様の意識が変わってきているのかな」と説明する。
非対面受け取りの広がりは、政府の目標が示される前から、生活の側でも少しずつ進んでいたのだろう。自分の都合に合わせて受け取れること、在宅していても手が離せない時に対応できること。宅配ボックスには、そうした生活実感に支えられた需要がある。制度や目標より先に、暮らしの中で必要とされている面もあるのだ。

■置き配派「宅配が来たときちょうどお風呂に」対面派「盗られるとか抵抗あります」
宅配ボックスを利用している人は「子供がいるので昨日も宅配が来て、ちょうどお風呂に入っていたので、『目の前の(宅配ボックス)に入れておいてください』みたいな感じで」とそのメリットを強調する。
一方で「手渡しで受け取る」と“起き配を利用しない”と答えた人は、盗難などが心配だと話す。
起き配を利用しない人:盗られるとか、いたずらされたり。そのへんで抵抗あります。

■「受け持つ荷物の 8 割ほどが置き配」 も雨など「置けない」ときも
配送の現場では、置き配はすでにかなり浸透しているようで、京都市内の配送業者で働く窪谷さんは、受け持つ荷物の 8 割ほどが置き配だという。
ドライバーにとって再配達が必要ない置き配は「楽だ」とは言いつつ、窪谷さんは「玄関先への置き配」ができないことあると説明する。
配送ドライバー 窪谷光晴さん:(再配達は)時間はかかるんですけどその分、確実にお届けできると考えたらその方(手渡し)がいいのかなとは思います。
(雨で)びちゃびちゃになってて置く場所に置けない(時がある)。物をだめにしちゃうよりは(再配達するほうが)間違いないかなと。

■「ゆくゆくは人手不足の解消になることを期待」と配送業者代表
一方で、窪谷さんに配送を委託している会社の代表は、置き配に期待を示す。
万事屋うっちゃん 内田巧代表取締役:(置き配などの)非対面式をすすめることによって、再配達自体が減ったりして、ゆくゆくは人手不足の解消になることを期待しています。
物流業界の厳しい状況を鑑みれば、置き配が望ましいという一方、政府の「置き配5割」という目標には疑問を感じている。
万事屋うっちゃん 内田巧代表取締役:荷物の紛失・損壊とか、高額商品をどうしても対面で受け取りたいという方も、いらっしゃるので。そのスピード感は厳しいのかなと思います。

■玄関先に置き配「今留守だとわかってしまう」という懸念も
宅配ボックスを利用している“置き配派”の「newsランナー」の谷元星奈キャスターは、「いっぱいになると玄関の前に置いてあったりして、ちょっとギョッとしたことあるんですけど、慣れてきました」と話す。
一方、「荷物があるということは、今留守だなっていうことが分かってしまうので、宅配ボックスを買って対応するのが大事かなと思いますね」と警戒感も示した。
また菊地幸夫弁護士は物流業界は法改正の影響などもあって、人手不足など課題も多いと指摘。
「再配達してもらったら配達料払うとか、あるいは自分で取りに行くとか、ちょっと我々も何か協力しなきゃいけないんじゃないですかね」と訴えた。
(関西テレビ「newsランナー」2026年4月2日放送)

