2025年9月に閉園した札幌市南区の民間の動物園ノースサファリサッポロ。
今も哺乳類152匹を含む222匹が残されている。
3月23日、大きな動きがあった。
札幌市「除却勧告」から「除却命令」へ
「札幌市の職員が除却命令を伝えに、ノースサファリの代理人弁護士の事務所に入っていきます」(水上孝一郎記者)
原則、開発が禁止される市街化調整区域に20年以上にわたって獣舎や宿泊施設などを無許可で建て続けてきたノースサファリ。
札幌市は2025年10月、すべての建物を年内に撤去するよう勧告を出していた。

しかし、3月5日時点で違法な建築物が37棟、残っていることが確認された。
状況が改善されないため、札幌市は除却「勧告」からより強制力のある除却「命令」に切り替えた。
撤去期限は、約7か月後の2026年10月末までだ。

「現存する建物の数と動物の数、動物の移動は春と秋しかできないことを考慮して、今年10月末という期限は妥当」(札幌市開発指導課 坪田修一課長)

「動物1頭1頭で時間がかかることがあれば、考慮してもらいながら、無理やり(移動を)急ぐと負担になることもあり得る。そうはならないけどできるだけ早く移動させてほしい」(札幌市保健所 生活衛生担当 吉津智史部長)

一方、ノースサファリ側は建物の撤去に伴う動物の移動について、「安全に行うためには時間が必要」と主張。
さらに東京の投資会社ビーチキャピタルが移転先を選定していることを理由に、建物撤去の期限を2027年11月末までとするよう要請していた。

3月23日の除却命令を受け、ノースサファリの代理人弁護士は「当方の主張がいれられなかったことは遺憾」とし、「今後も、動物の生命・安全に配慮しつつ、建物の除却は進めていく予定」とコメントしている。

2004年10月から21回行政指導→3月23日「除却命令」2026年10月末までに完全撤去
札幌市はノースサファリサッポロに対して、これまで2004年10月から合わせて21回行政指導を行っていた。
この行政指導に、法的拘束力はない。
その中で、ノースサファリサッポロは元々183棟あった建物を37棟まで減らした。 ただ定められた期限までに間に合わなかったため、3月23日、除却命令が出された。
除却命令には法的拘束力があり、違反すると1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられる可能性がある。
新たに設けられた期限は、2026年10月末。違法建築物の完全撤去が義務付けられている。
ノースサファリ側は2月27日、市に弁明書を提出した際、動物の受け入れ先の調整や移動の安全性を考慮する必要があり、時間がかかるとして、2027年年11月末までを期限にしてほしいと要請していた。

ノースサファリを継承する計画を進める東京の投資会社「ビーチキャピタル」の赤沢芳樹社長は「道内自治体関係者などから5件ほど、移転先について連絡があった。新千歳空港から車で3時間以内の場所にしたいと考えている」とし、移転先は「4月中に決めたい」と話している。
