福岡県北九州市の特定危険指定暴力団工藤会トップの野村悟被告(79)の引退情報について、工藤会側が引退を決めた後に野村被告を説得し、本人も承諾していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
2011年に撮影された特定危険指定暴力団工藤会の五代目会長の継承式の映像です。
多くの組員に囲まれているのが工藤会トップで総裁の野村悟被告です。
そして2014年の9月…。
◆記者リポート
「野村総裁が出てきました」
福岡県警などの“頂上作戦”で逮捕された野村被告は、市民を狙った4つの襲撃事件に関与したとして殺人などの罪で起訴され、一審で死刑、二審で無期懲役の判決を受け、現在、最高裁に上告中です。
その野村被告をめぐり3月、工藤会側がほかの暴力団組織などに対し「組織引退」を伝えていたことが明らかになり、捜査関係者への取材で、引退について野村被告を除いた工藤会の最高幹部らが決めていたことが新たに分かりました。
組織の内情に詳しい人物によると工藤会が野村被告の引退を決めたのは3月16日。
その日のうちに、ほかの組織に向けて野村被告の引退を通達したといいます。
そして翌17日に野村被告の説得にあたり、本人も受け入れたということです。
長年、組織に君臨してきた野村被告。
逮捕・拘留後も野村被告のもとには、配下組員たちが連日差し入れや親族の送迎を続けるなど、絶大なる影響力を保ち続けていました。
野村被告にどんな心情の変化があって、引退を受け入れたのか。
関係者などによりますと今回の引退を受けて、工藤会側は野村被告への面会や差し入れを一切行わないほか、親族の送迎もやめるということです。
野村被告をめぐっては事件の遺族にあわせて1億円以上の損害賠償を命じた判決が確定しています。
警察は、野村被告が残ることで組織の金銭的負担が続くことを避けるため、工藤会側が野村被告の引退を決めた可能性もあるとみて慎重に調べています。