注目される裁判の判決が
列車に近づく1頭のクマ。
進路を変えて威嚇するようなしぐさを見せます。
3月15日、北海道根室市を走るJR花咲線の乗客が撮影しました。
クマが冬眠から目覚め活動を始める季節です。
そんな中、注目される裁判の判決が下されました。
猟銃を握っていない理由とは
箱わなにかかって暴れるクマ。
わなを設置したのは砂川市のハンター池上治男さんです。
北海道猟友会砂川支部の支部長としてクマの駆除にあたってきました。
しかし、7年間、猟銃を握っていません。
そのわけは…。
処分の撤回を求めて
2018年、池上さんは砂川市の要請に基づき、猟銃を発砲してクマを駆除しました。
その際、弾丸が建物に到達する恐れがあったと猟銃所持の許可を取り消されたのです。
池上さんは処分の撤回を求め、北海道を相手どり裁判を起こしました。
「ハンターに頼んでおいて、撃ったらだめだったと言われたら、何を信用したらいいのか」(提訴したハンター 池上 治男さん)
1審の札幌地裁では猟銃の所持許可を取り消した北海道の判断は違法だとして池上さんが勝訴。
しかし、2審の札幌高裁では弾丸が岩などに当たって跳ね返る「跳弾」により建物に届く恐れがあったなどとして、池上さんの逆転敗訴となりました。
最高裁での判決が
「砂川市でも銃で捕獲することをやめた。私の事案があったから。札幌高裁の判決が全国のハンターに対する足かせになったと思う」(池上 治男さん)
2025年、クマに関する北海道警察への通報は5000件を超え、過去最も多くなりました。
クマの脅威は暮らしのすぐそばにまで迫っています。
今後の駆除のあり方に大きな影響を及ぼす判決が、3月27日に最高裁で言い渡されました。
ハンター側の逆転勝訴に
最高裁第3小法廷は池上さんの猟銃所持許可を取り消した北海道公安委員会の処分を違法と判断しました。
これにより、ハンター側の逆転勝訴が確定しました。
クマ駆除のための発砲による取り消し処分の違法性について最高裁が判断を下したのは初めてのことです。
「安心してハンターを頼れるような結論を出してくれた。非常にいい判決だったと思っている。7年間の長い時間はかかったが、ある意味有意義な時間だったと思うようにしている」(逆転勝訴したハンター 池上 治男さん)
池上さんの裁判に関心を寄せて来たハンターの林豊行さんは、今回の判決について。
「出動要請が出ても行けないと思っていた。最高裁で池上さんの主張が通ったことは本当に良かった」(苫前町猟友会 林 豊行 会長)
北海道公安委員会はコメントを発表し、池上さんに謝罪しました。
「今回の最高裁判決を重く受け止めております。池上様にご不便・ご負担をおかけしたことに対し、お詫び申し上げますとともに速やかに猟銃の返還に向けた手続きを進めてまいります」(北海道公安委員会のコメント)
最高裁判決は今後のクマ駆除のあり方にも一石を投じそうです。