奄美大島・大和村の研究飼育施設で、元気になった希少な野生動物を森へ帰す事例が相次いでいます。

オープンから間もなく1年を迎える施設を取材しました。

真っ暗な森の中へ一目散に走り去っていく1匹のアマミノクロウサギ。

これは2月10日に撮影された映像です。

このアマミノクロウサギは2025年12月、奄美市内の県道で交通事故にあってけがをし、その後、治療とリハビリを受けていました。

治療は奄美市内の野生動物専門の医療施設で行われ、その後、リハビリを担当したのが2025年4月にオープンしたアマミノクロウサギミュージアム「QuruGuru」です。

これまで島内になかったアマミノクロウサギを保護する専門の施設として大和村が整備したもので、けがをしたアマミノクロウサギを野生に帰すための治療やリハビリを行います。

野生に帰すのが難しい場合は、施設内で飼育、展示が行われ、現在は2匹のアマミノクロウサギが保護されています。

施設の特徴は、より自然に近い状態でリハビリができる屋外スペースがあることです。

アマミノクロウサギミュージアム(QuruGuru)豊田英人獣医師
「野生に帰す前には自然の環境に少しでも慣れてもらうような期間が必要」

ここでは巣穴が掘れるように小さな土の山や、エサとなる植物を用意。

アマミノクロウサギ本来の行動が確認できるようになっています。

今回、「QuruGuru」として初めて野生に帰すことができたアマミノクロウサギも、ここでリハビリを行い、順調に回復を果たしました。

野生復帰が実現した背景には環境省や地元の動物病院など、関係機関との間での救護体制の確立があったといいます。

大和村企画観光課・白石大晴主事補
「協定があることでこれまでアマミノクロウサギの救護とか治療に携わっていた方々の知見を聞くことができた。参考にしながらリハビリや状態確認に生かせた」

実は施設ではアマミノクロウサギ以外の希少な野生動物も受け入れています。

2025年10月には大和村内で衰弱していた国の天然記念物「ケナガネズミ」の母親と、生後間もない5匹の子どもを受け入れ、施設内で治療と飼育を実施。

2月26日、生き残った親子3匹を森に帰すことができました。

アマミノクロウサギミュージアム「QuruGuru)・豊田英人獣医師獣
「野生動物の保護活動は表に知られることがない。QuruGuruとしては積極的に皆さんに知ってもらえるような活動を行っていければ」

オープンからまもなく1年。

実績を少しずつ積み重ねながら、「QuruGuru」はきょうも小さな命と向き合い続けます。

鹿児島テレビ
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