悩みを抱え込んでしまうことが多いと言われる出産直後の女性や家族をサポートする産後ケア。行政によるサービスの拡充が図られる中、民間にも支援の輪が広がっています。
3月に開かれた沐浴の体験講座。
静岡県三島市では出産を控えた夫婦などに安心して子育てに臨んでもらおうと、2カ月に1度のペースで開催しています。
参加者:
実際動いた子でやるとどうなってしまうのかと…やってよかった
参加者:
本番も楽しくできるように練習しておかないと
新たな命を迎える出産。
そこから始まる子育てには周囲のサポートが欠かせません。
三島市 健康づくり課・岩下朋世さん:
お母さんの体、とても負担がかかっている。そういう時に慣れない赤ちゃんとの生活が始まり、精神的にも身体的にもとても負担がかかっている時期。ひとりで頑張りきれないところがある
このため、三島市が近年力を入れているのが出産前後のママを支えるための支援事業です。
病院や助産院と連携し、親子を受け入れて健康チェックや授乳指導を行っているほか、助産師による訪問型の育児相談などを展開していて、出産した女性の約2割が市の提供するサービスを利用しています。
三島市 健康づくり課・岩下朋世さん:
実家が遠かったり、実家があってもお父さんお母さんが働いていたり、なかなか産後にゆっくりできる環境にない人も多い
助産師・松井真依さん:
栄養士も助産師も保育士もいるので、話をしたりとかママ同士でも良いが、せっかく専門職がこれだけいるので、日頃のもやっとすることを聞いてもらえれば
こうした取り組みは民間レベルにも広がっていて、2025年10月から市内で開かれているのは赤ちゃん食堂。
産後の孤独感や子育ての悩みを抱えこむママたちの居場所をつくろうと、助産師などが中心となって開催するに至りました。
助産師・松井真依さん:
ひとりで泣いている子を抱っこしてご飯を食べていたイメージが自分の子育ての時にあり「すごく寂しい」「しゃべりたい」というのもあったので、こういう場があったら良かったなという思いで(開催した)
ここでは各自が離乳食を持参し、栄養士などからアドバイスを受けることができます。
栄養士:
口の中の発達は子供によってそれぞれ。同じような速度で発達は進まないので、すごく上手にできている
参加者:
いま8カ月
栄養士:
8カ月で素晴らしい
ママ達には温かなご飯が用意されていて、食事中はスタッフが赤ちゃんの面倒をみてくれるため、他のママたちとの交流を楽しむ姿も…。
参加者:
(普段は赤ちゃんを)ここに抱えているか、登ってくるのを抑えながら食べているので、両手を放してゆっくり食べることはなかなかない
助産師:
少しずつ首が座ってくると、ちょっと上向きにさせて前向きにしてあげるとご機嫌になることもあるので、そのあたりも様子を見て抱っこしてあげてください
2月には長泉町の企業が産後のケアを担う専門家、いわゆる“ドゥーラ”の育成に向けた講座を裾野市で開きました。
With Doula・大澤豊CEO:
“ドゥーラ”は妊産婦さんやその家族に寄り添いながらメンタルサポートをメインとして、妊娠中から産後までを支える、“伴走者”のような存在
受講生:
(悩んでいる夫婦に)「ちょっとでも赤ちゃん預かろうか?」と本当は声掛けたかったが、ただの主婦でただのおばちゃんだったので何もできなくて、その時に何かできる仕事がちゃんとほしいと思った
参加した13人は2025年12月から様々な知識の習得に励んでいて、この日は無理のない赤ちゃんの抱き方や授乳の仕方、赤ちゃんの肌を清潔に保つための沐浴のポイントなどについて学びました。
助産師:
毎日泡を使う人もいれば週に1回や、おへそだけや髪の毛だけの人もいる。それはママや家族の意向で良い。おへそがにおい気になる、でもせっけんを使っていない時は使ってきれいにして乾燥させる
3月にはすべての講習を終え、今後は契約先の企業へと派遣されることになっている参加者たち。
ここでは福利厚生の一環として従業員の産前産後のケアに当たります。
受講生:
少しでも余裕のある子育てと出産ができるようにそばにいる存在として寄り添っていきたい
With Doula・大澤豊CEO:
助けてほしい時に手を上げられない妊産婦さんが一人で責任を背負うような社会があるように感じていて、この活動を通して、一人でも多くの人が責任を少し下ろせる、気持ちが軽くなる。そんな時間が提供できれば良い
核家族化が当たり前となる中で、年々重要度がましているママたちのケア。
行政、地域、そして企業から、みんなで子育てを支えるという意識が広がり始めています。