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プレスリリース配信元:特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン

認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(本部:東京都大田区、代表理事:小泉 智)は、当団体が運営するフードバンク「グッドごはん」の利用者である低所得のひとり親家庭を対象に、収入や暮らしの状況に関する調査を実施しました。
その結果、長期化する物価高の中、自身の食事を削らざるを得ないほど切迫した状況を強いられる家庭の姿が浮き彫りになりました。
背景には、世帯年収200万円未満が約半数、非正規雇用が約5割という不安定な収入・雇用基盤や、十分な賃上げがない現状があり、努力して働いても生活の安定につながりにくい構造が見えてきました。

【主な調査結果】
・約5割が世帯年収200万円未満(手取り)・非正規雇用
・物価上昇の影響でよくとる行動 最多は「保護者が自分の食事の量や回数を減らす」(複数回答)
・昨年の職場での賃上げ「なかった」約6割、増えない手取りに苦しむ声


【調査概要】
「ひとり親家庭の収入・暮らしの状況に関するアンケート」
・実施日程:2026年2月18日~3月3日
・対象者:グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」の利用者 ※利用者は、原則としてひとり親家庭等医療費受給者証保有者に限る(ひとり親家庭等医療費受給者証とは、18歳未満の子どもを養育し、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭等に交付される医療費助成制度の医療証)
・回答方法:アンケート回答フォームへの入力(オンライン)
・有効回答者数:1,818名
・回答者属性:
- 性別:女性 1,740名 (95.7%)|男性 43名 (2.4%) (性別無回答:35名)
- 年代:10代 1名 (0.1%)|20代 44名 (2.4%)|30代 376名 (20.7%)|40代 902名 (49.6%)|50代 463名 (25.5%)|60代以上 25名 (1.4%) (年代無回答:7名)
- 居住地域:首都圏(主に東京・神奈川・埼玉・千葉)795名 (43.8%)|近畿(主に大阪・京都・兵庫・奈良)626名 (34.4%)|九州(主に佐賀・福岡)397名 (21.8%)

調査結果詳細

経済的困難により、親が自らの食事を削る実態
物価上昇が続く中での暮らしぶりについて質問した結果、「非常に苦しい」が最も多く、約6割にのぼりました。

物価上昇が続く中での暮らしぶり


また、同質問で暮らしぶりが「非常に苦しい」「やや苦しい」と回答した人に対し、「物価上昇の影響により、普段の生活でよくとっている行動」について尋ねたところ、「自分(保護者)の食事の量や回数を減らす」が最も多く選択されました(複数回答)。
さらに、「家で冷暖房器具を使わない」「肉や魚を買わない」といった項目を選択した人も比較的多く、物価の上昇が日々の生活を脅かしている状況がうかがえます。

物価上昇の影響により普段の生活でよくとっている行動(複数回答)


<自由記述回答>

・「自分は一日1回しか食べていない。子どもも朝ごはんを抜いている。物価高の影響で、お米や肉・魚が買えない。」

・「電気代が高いので夜遅くまでショッピングモールで暖をとったり、家では湯たんぽ暮らしで、雪が降るくらい寒い時だけコタツを使用している。」

・「いつ、生活が行き詰まってもおかしくないレベル。それで何年か暮らすと、それでも死なないならいいかと、諦めの気持ちになる。親はいいが、子どもは将来仕事に就いてなど希望が持てるのか?世の中を信頼できるのか?人を尊重して尊重されて暮らせる気持ちを持てるのか?気になっている。」

・「大学進学する子どもがおり計画して貯蓄していたつもりが、昨今の物価高で予定より多い出費があり厳しい。物価高に伴って給料が上がればいいが、まったく上がっていない。」

・「全てのものが値上がりするばかりで、未来に希望が持てない。子供が将来困らないようにしてあげたいが、習い事をさせてあげられる余裕もなく、高校や大学に進学させてあげられるのか、今から不安でいっぱいである。」


約5割が非正規雇用 収入・雇用基盤の脆さ浮き彫りに
調査の結果、回答者の約5割が世帯年収200万円未満(※手取り/各種社会手当・養育費・同居家族の収入含む)であることがわかりました。また、就労形態では「非正規雇用」との回答が約5割を占めており、安定した収入を得にくい状況が浮かび上がっています。

世帯全体における2025年の年収 (手取り/各種社会手当・養育費・同居家族の収入含む)


回答者の就労形態(2025年末時点)


さらに、世帯全体の貯蓄に関して、「貯蓄はない」と回答した人が最も多く、急な出費や将来への備えができない状況が懸念されます。

世帯全体における貯蓄額


賃上げは「ない」か、あっても低水準
就労している回答者において、昨年に職場で賃上げがなかったと回答した人が最多を占め、6割近くに及びました。

2025年の職場における賃上げの状況


また、賃上げがあったと回答した人においても、その内容は限定的で、約半数が月3,000円未満の手取り増にとどまっています。
物価が上昇し続ける中、十分な賃上げがない状況では、家計の負担増を吸収することができず、実質的には生活がより苦しくなっている家庭が多いと考えられます。

賃上げ後の月収(手取り)の変化


「働くほど手取りが減る」――制度のはざまで苦しむ声
グッドネーバーズ・ジャパンでは、「グッドごはん」を利用する家庭を対象に、収入や暮らしに関するアンケート調査を毎年実施しています。調査を重ねる中で、“働いても手取りが増えない”状況に対する不安の声が、年々強まってきていることを実感しています。
今回も、生活や働き方に関する自由記述回答を得たところ、次のようなコメントが多く寄せられました。
・「月々の収入が少し増えただけで、税金や社会保険料の負担が一気に増え、手取りが減ってしまう現状に大きな不安を感じています。いわゆる「年収の壁」によって、働きたい気持ちはあってもセーブせざるを得ず、結果的に家計の安定にもつながりにくいと感じています。」

・「賃上げによって手取りは多少上がったが、物価上昇率に応じた額ではないため、幼い子どもとの時間を削って長時間働かざるを得ない。しかし、その結果、収入は増えても、児童扶養手当の受給資格の所得上限を超え、支援を受けられなくなり、出費が増えるため、生活は逆に苦しくなる。」


一定の収入水準を超えると、社会保険料や税金の負担が新たに生じたり、増えたりすることがあります。また、収入が増加した結果、所得の判定により、児童扶養手当などの公的手当が減額される、あるいは受けられなくなる場合があります。
そのため、収入を増やそうとして働く時間を延ばしても、実際に使えるお金が思ったほど増えない、あるいはかえって減ってしまう状況が生じることがあります。特に非正規雇用で働く場合、収入を増やすには労働時間を延ばすしかないことが多く、体力的・時間的な負担が大きいにもかかわらず、努力が生活の安定につながりにくいケースが少なくありません。

このように、「働いた分だけ手取りが増える」とは必ずしも言えない状況のもとでは、「これ以上働くと手取りが減り、生活が成り立たなくなる」「手当を失うのが不安で働く時間を増やせない」といった状況が生まれる場合があります。それは個人の働く意欲の問題ではなく、現在の制度のもとで生活を守ろうとする、やむを得ない選択といえます。

今回の調査から、日々の生活が工夫や節約といった範囲を超え、食事や健康、将来への備えを犠牲にせざるを得ない状況にまで追い込まれている家庭の実態が明らかになりました。また、物価上昇の中で手取りが増えず、生活の安定から遠ざかり、「子どもを育てていけないのではないか」という不安や恐怖を抱えながら暮らす保護者の実情が見えてきました。
こうした状況は、個々の家庭の努力だけで乗り越えられるものではなく、現在の社会や支援の仕組みの中で生じている構造的な課題が、暮らしの現場に表れているものといえます。
社会に生きる誰もが安心して暮らせる環境を整えていくため、実態を社会全体で共有し、向き合っていくことが求められています。


<本調査結果の引用・参照に関するお願い>
本調査結果を引用・参照される際は、出典として当団体名称「認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン」を明記いただけますようお願い申し上げます。
また、本調査は、グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」を利用する低所得のひとり親家庭を対象に実施したものであり、日本のひとり親家庭全体を代表するデータではございません。つきましては、本調査結果を引用・参照される際には、この調査の対象範囲が伝わる形でご使用くださいますようお願いいたします。



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<フードバンク「グッドごはん」へのご寄付に関して>
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、フードバンク「グッドごはん」を通じて、低所得のひとり親家庭へ食品支援を行っています。より多くのひとり親家庭へ支援を届けるため、活動へのご寄付を受け付けております。ご関心をお寄せくださる方は、下記ページをご覧ください。
月々のご寄付について
単発のご寄付について
食品の現物寄付について


■団体について
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンは、国際組織グッドネーバーズ・インターナショナルの一員として、2004年に開設されました。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、国内外の子ども支援を行っています。公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受けています。
https://www.gnjp.org/

■ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」とは
「グッドごはん」とは、ひとり親家庭等医療費受給者証をもつ、所得が限度額未満のひとり親家庭を対象に、食品を毎月無料で配付する事業です。2017年9月の事業開始以降、延べ17万を超える世帯に食品をお渡ししてきました*。
首都圏、近畿および九州における約30~40か所*の配付拠点にて、企業や個人の寄付によって集まったお米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当のカゴいっぱいの食品をひとり親家庭に配付しています。
*2025年12月時点(配付拠点数は月により変動) 
https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/
※通常、配付拠点に直接取りに来られる方を対象に食品を配付しています
※生活保護受給中の方は対象外です

■フードバンク「グッドごはん」を利用する低所得のひとり親家庭を対象とした各種調査について
グッドネーバーズ・ジャパンは、フードバンク「グッドごはん」を利用する低所得のひとり親家庭を対象に実施してきた各種調査の一覧を、以下のページにて公開しています。
https://www.gnjp.org/survey/
同調査では、食事・収入・子どもの体験・孤立の実態など、ひとり親家庭が直面する多様な課題について、定量・定性的に可視化しております。ぜひご覧ください。

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