北陸新幹線が福井県内に開業して2年が経ちました。福井テレビでは、県内の各駅を中心に街や人がどう変わったか、成果や課題をシリーズでお伝えしています。今回は越前たけふ駅周辺です。
県内で唯一、在来線の駅と離れた場所に整備され、周辺の街づくりは白紙からのスタートともいえます。このほど、進出第一号となった企業の施設も完成し、地元ではどのような展望を描いているのか取材しました。
越前市の新たな玄関口、北陸新幹線「越前たけふ駅」。県内で唯一、新幹線と在来線の駅が離れていますが、新幹線が越前市にとまる効果は観光地に大きく出ています。
市によりますと、新幹線開業1年目の2024年度に越前市内の主な観光地を訪れた人は約180万人で、前年度の同時期と比べて約50万人増えました。
竹内慶行記者:
「北陸新幹線県内開業から2年。越前たけふ駅周辺に広がるのは…農地です」
もともと郊外の農地の真ん中に新設された越前たけふ駅。市は駅周辺の西側約100ヘクタールのエリアで、まちづくりを目的とした開発事業を進めています。
市が目指すのは、商業施設や宿泊施設、企業の開発拠点など多様な産業が集積するエリアです。
越前市・山本隆史さん:
「この駅周辺は交通結節点となっている。新幹線駅や高速道路の武生インターチェンジ、また主要な国道である8号線と様々な交通結節点という立地を生かして、丹南の玄関口としての役割を担っている」
そんな中、ある企業が先陣を切って進出を決めました。
竹内慶行記者:
「駅周辺進出企業の第1号となったのが、福井村田製作所です」
パソコンやスマートフォンなどに使われている電子部品を製造する福井村田製作所。
今年2月、着工から2年余りをかけて、セラミックコンデンサの研究開発拠点「研究開発センター」が完成しました。
福井村田製作所・畑尾直哉社長:
「新幹線も開通し、その駅のすぐ近くというアクセスの良さは当然、弊社の関係会社や協力会社からの出張者も、非常にアクセスが便利だと思っている」
新幹線の駅前に位置することで、出張者だけではなく、新幹線を利用した通勤の増加も見込まれます。
また、リクルート面でも大きな期待が持てるといいます。
畑尾直哉社長:
「学生だけでなくUターン、Iターンを考えている若い人たちへの訴求力が高まる研究開発施設になると思う。越前市の活性化、福井県の盛り上がりにつながれば」
研究開発センターは3月30日から運用を開始します。
そして新たな動きも―
越前市・山本隆史さん:
「このエリアが、共立メンテナンスさんの開発エリアになっています」
去年2月、市はドーミーインホテルなどを展開する東京の企業「共立メンテナンス」が駅周辺へ進出する意向を示していると発表しました。
検討されている広さは約2ヘクタールで、ホテルや温浴施設などの整備を計画しています。
また、市は共立メンテナンスと共同で「越前たけふ未来創造基地」と銘打ち、コワーキングスペースや伝統工芸PRセンターといった公的機能を持つ施設の建設や商業施設の誘致などを目指しています。
越前市・山本隆史さん:
「この施設ができることによって、駅周辺がにぎわうと考えている。共立メンテナンスのホテルなどと相乗効果を測りながら、よりにぎわいを生み出していきたい」
これらの施設は、来年に開業が予定されています。
では、企業の進出を中心にした開発に期待できることとは。それは「人の流れの変化」だといいます。
越前市・山本隆史さん:
「多くの人がこの地で働くことに伴い、昼間人口の増加が図られ、大きな効果を期待している」
人の流れを変えることでさらなる投資を呼び込みたい。新幹線の力を最大限に生かして動き出した越前たけふ駅周辺の開発。
市が描くのは若者が定着し、住み続けるまちの姿です。
越前市・山本隆史さん:
「様々な産業がこの地に集積することで、若者たちが戻ってきたい、いつか戻ってきてこの地元で働きたいと感じていただけるように、選択肢を広げていきたいと考えております」
人と産業が集う新たな拠点へ―
越前たけふ駅周辺の今後の発展が注目されます。