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プレスリリース配信元:株式会社帝国データバンク

燃料費の高騰が企業に与える影響度調査(2026年3月)




株式会社帝国データバンクは、保有する企業データベースのうち2025年1月-26年1月までに決算を迎えた企業財務データを対象に、ガソリン・軽油など「燃料費」の高騰に対する企業業績への影響度について試算・分析を行った。各平均値は、上下各5%、計10%のトリム平均値を使用した。


SUMMARY
試算によると、燃料費が2025年比で30%増(レギュラー:230円/1L相当)となった場合、企業1社あたりの年間負担は約48.4万円増となり、営業利益は4.77%減少する結果となった。また、営業損益が黒字から赤字へ転落する企業割合は2.93%まで膨らむ可能性がある。なかでも、運輸業では営業利益が平均で8割減少が見込まれ、影響度が特に大きい。


【分析企業】
「製造原価」および「販売費および一般管理費」内における「燃料費(ガソリン・軽油、灯油・重油、プロパンガス等を含む。勘定科目として一部車両費を含む場合がある)」相当の支出がある企業。対象は算出可能な約9万社(全国・全業種)
決算期末のデータに基づくため、以降の燃料費における増減については考慮していない

燃料費「25年比30%増」で運輸業の利益8割消失、4社中1社が赤字転落 試算
イラン情勢の緊迫化を発端とする燃油価格の急騰が、軽油や重油など石油エネルギーに依存する運輸業や一部製造業を中心に深刻な課題となりつつある。こうした「令和のオイルショック」は、企業の利益をどこまで圧迫する可能性があるのか。帝国データバンクでは、過去1年間に決算を迎えた企業で、ガソリン・軽油代やボイラー向け重油代など「燃料費」を支出する約9万社を対象に、段階的な燃料費の上昇シナリオが利益面に与える影響について調査・検証を行った。

燃料費の上昇幅は、2025年平均の燃料小売価格(レギュラー:177円/L相当)をベースに、+10%(同194円/L)~最大+30%(230円/L)のシナリオを想定してそれぞれ試算した。なお、決算期末のデータに基づくため、決算期末以降の燃料消費量の増減は考慮しないものとした。




この結果、燃料費が25年比で年間平均10%上昇した場合、企業では1社あたり平均で年間16.1万円の負担増が新たに発生し、営業利益のうち1.59%分相当が減少することがわかった。また、営業損益が黒字から赤字へと転落する企業は対象9万社のうち、約1000社(1.09%)発生する試算となった。今後、2025年比で30%増(レギュラー1Lあたり230円まで上昇)となった場合、燃料費負担は1社あたり平均で年間48.4万円増加し、営業利益が平均4.77%減少、赤字へと転落する企業は約2700社・2.93%の規模まで膨らむ可能性がある。

業種別にみると、最も影響を受けるのは「運輸業」で、燃料費が25年比で1割上昇した場合に年間支出は平均470.4万円増加し、営業利益が平均27.88%減少、10.29%の運輸業者が新たに赤字へ転落する試算となった。燃料費が同3割上昇すると、年間支出は約1400万円膨らみ、営業利益は約80%減少となるほか、4社中1社(24.57%)の運輸業者が新たに赤字転落する見込みとなる。運輸業では売上高に占める燃料費の割合が極めて高く、燃油サーチャージ等の価格転嫁が十分に追いつかない場合、利益の乏しい運輸業者の経営体力を大きく損なう可能性がある。

石灰石や砂利、砕石の掘削などを行う「鉱業」では、ダンプトラックやブルドーザーなど重機の稼働が多く、特に軽油の価格高騰による影響が大きかった。製造業では、セメントの焼成炉などを含む「窯業・土石製品製造」、原材料の蒸煮や、食品衛生法に基づく高温殺菌(ボイラーによる蒸気利用)が不可欠な「食料・飲料・飼料製造」では製造原価に占める燃料費の割合が高いケースも多く、燃料費高騰による影響が目立った。サービス業では、特に大浴場を備える旅館・ホテルなどの宿泊施設、日帰り温泉などの温浴施設ではボイラーの燃料(重油・ガス)消費が大きいほか、シーツやタオルなどリネン類の洗濯・乾燥でも燃料を必要とするケースが多く、利益を大きく圧迫する要因となった。

このほか、金額ベースで増加幅が大きいのは「化学工業、石油・石炭製造」や「医療業」、「パルプ・紙・紙加工品製造」など、利益減少率では「農業・林業・漁業」、「木材・木製品製造」などで目立った。

他方で、「不動産業」や「飲食店」などでは燃料費の上昇に対する直接的な影響は軽微にとどまった。
燃料費の高騰、企業経営に広く打撃
イラン情勢の緊迫化に端を発する突発的な燃油価格の大幅高騰で、軽油や灯油の使用量が多い事業者に動揺が広がっている。資源エネルギー庁によれば、3月18日発表時点でレギュラーガソリン価格が1Lあたり190.8円となり、前週(161.8円)から+29円・17.9%上昇した。

他方で、帝国データバンクが2025年7月に実施した価格転嫁の調査では、燃料費など「エネルギーコスト」の上昇分における価格転嫁率は30%にとどまり、多くを企業負担で賄う構造が続いていた。燃料コストの急騰を即座に価格転嫁できる環境にある企業は少なく、「これ以上の価格転嫁が難しい」という事業者が今後急増する可能性がある。特に運輸業では、燃料費が25年比で3割増となった場合に営業利益が平均8割消失する試算となり、他業界に比べて影響が突出して深刻な状況に陥りやすい。価格転嫁とコスト吸収の限界を超えた燃油高騰が長引けば、燃料費高騰に伴う倒産・廃業リスクが高まる可能性もある。政府はガソリンの小売価格を全国平均で1Lあたり170円程度に抑制するための措置として、3月19日出荷分からガソリン元売り各社に対し補助金の支給を予定している。その措置が企業業績にどのような効果を及ぼすか注視する必要がある。

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