3月17日に、国土交通省は土地取引の目安となる価格「地価」を公表した。福島県では再開発と復興がポイントに。震災と原発事故から15年が経ち、復興を目指す浜通りでは地域によって対照的な結果が出ている。
商業地 最高は郡山市駅前1丁目
福島県内の商業地で最も地価が高かったのは、郡山市駅前1丁目。2026年2月には旧病院跡地に新たな複合ビルが完成するなど発展が続いていて、2025年より2万円近く上昇した。

一方、福島駅東口前に建設予定の再開発ビルについて、開業時期のさらなる遅れが発表された福島市。懸念材料はあるものの、2月には新たなビジネスホテルが開業し、夏には大型ディスカウントストアの出店も控えるなど、一定の需要も存在する。
福島市内の最高価格は、再開発ビルの予定地付近で、1平方メートルあたり25万6000円と2025年よりわずかに上昇する結果となった。

不動産鑑定士の石田英之さんは「計画が完全に示されて、計画通りに進んでいいれば地価はもっと上昇したと思います。再開発事業自体が中止になったであるとか、頓挫したという事態ではありませんので、未だ期待感としては残っている」と話す。
浜通りは明暗分かれる
都市部で駅周辺の再開発が地価をけん引する一方、浜通りでは震災からの復興のなかで明暗が分かれている。
南相馬市小高区では商業地の下落率が3.9%と、2年連続で県内最大となった。2016年までに大部分で避難指示が解除されたものの、人口は震災前の半分以下にとどまりにぎわいは戻っていない。
また、富岡町や楢葉町でも商業地の下落は続き、原発事故の影響が色濃く出る結果に。

こうしたなか相双エリアで唯一住宅地・商業地の両方で上昇が見られたのが浪江町。2030年度ごろの本格稼働を目指す国の研究施設「F-REI(エフレイ)」を中心に、駅周辺でも開発が進んでいて、住宅地の地価も2025年から0.7%上昇した。
カギを握る工業地
復興に向けたまちづくりで地域間に差が生まれるなか、カギを握るのが福島県内全体の平均価格で13年連続上昇を堅持する工業地の需要だ。
福島県が復興の柱として進めるイノベーションコースト構想などを背景に、双葉郡でも工業団地の整備が進められていて、プラスの経済効果が期待できるという。

不動産鑑定士の石田さんは「これらの産業団地・工業団地に企業立地が進んで雇用が創出されて、そういった方が定住していくという感じになれば不動産の投資に対しても好循環が生まれてくるのでは」と話した。
(福島テレビ)