プレスリリース配信元:学校法人常翔学園
電気に頼らぬ次世代スマート材料にも期待
大阪工業大学(学長:井上晋)応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授と阪本薬品工業(代表取締役社長:阪本真宏)がこのほど、水を吸うだけで膨らみ、上に乗せた物体を持ち上げる小さなゲル粒子の開発に成功しました。水という最も身近な資源から力を生み出すこの技術は、電気に頼らない次世代のスマート材料として、新たな可能性を切り開くものと期待できます。
【本件のポイント】
● 形状と膨潤度を自在に設計できるハイドロゲル粒子を開発
● 吸水すると膨潤し、立方体粒子では物体を持ち上げるリフト機能を実証
● 有機溶媒を使用しない環境調和型プロセスで合成
ハイドロゲルは水を吸収して膨潤(ぼうじゅん:体積が増加)する高分子材料であり、外部刺激により変化する材料として広く研究されています。しかし、従来のハイドロゲルの粒子は球状が主流で、その形状のため力学的機能を生かす設計は十分には検討されてきませんでした。
本研究チームが開発したのは、サイコロのような形をしたわずか数ミリサイズの立方体ゲル粒子です。この粒子を4つ並べ、その上にガラス板と重り(合計約10グラム)を置いた状態で粒子に水を加えると、水を吸収してゆっくりと膨らみ、重りを約1ミリ持ち上げました。電気もモーターも使わず、水を吸うという自然な現象だけで重さに逆らって物体を持ち上げることに成功しました。
球状のゲル粒子は転がりやすく、安定性に課題があります。今回、立方体にしたことで、平らな面同士が接触し、位置が安定しました。実験では、傾けても転がりにくいことが確認され、形の違いが機械的な安定性を大きく左右することが明らかになりました。
更に、この粒子は有機溶媒を使わない環境に配慮した方法で合成されています。形(立方体・四面体・正十二面体など)や大きさも自在に設計できるため、水で動く小さなアクチュエータ(駆動部品)や、軟らかいロボットなどへの応用が期待されます。

この成果は、米国化学会の学術雑誌「Langmuir」に論文が掲載(2026年3月7日付)され注目を集めています。
URL:https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.langmuir.5c06259
DOI:10.1021/acs.langmuir.5c06259
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