”大阪都構想”をめぐって対応が割れている大阪府と大阪市。この状況に”維新創設者”たちも業を煮やしている。
一体なぜこんな事態になっているのか…。
関西テレビは松井一郎元代表にインタビュー。さらに、「newsランナー」のスタジオには橋下徹元代表が生出演。
維新・松井一郎元代表:残念やわ、ほんまに。党の中でこんな溝できると思えへんかった。
結党以来のピンチ到来か?大改革の行方は?
2人の元代表が”いまの維新”を徹底解説した。
■「明治維新以来の大改革」目指し歩み進める吉村知事
大阪府・吉村洋文知事:副首都もう1回目指そうじゃないか!その設計図作りをやらせてください!
“都構想”への再挑戦を掲げた「大阪ダブル選挙」から1カ月。
吉村知事は今月9日、”都構想”の区割りなど制度設計を話し合う「法定協議会」設置のための議案を大阪府議会に提出した。
大阪府・吉村知事:明治維新以来の大改革になると思います。1歩でも2歩でも着実に前に進めていきたい。
吉村知事の任期は残り約1年。住民投票を実現させるべく歩みを進めている。

■「せめて市民との対話を」市議は慎重な姿勢
住民投票の実施には大阪府と大阪市の両議会で「法定協議会」を設置する必要があるが、3年前の統一地方選挙で”都構想”を公約に掲げていない維新の市議会議員たちは慎重な姿勢を見せている。
維新大阪市議団・竹下隆幹事長:せめて市民との対話をこなしていかないと、私たちも次のステップに出にくい。
こうした中、大阪市の横山英幸市長は「全ては私の判断」として、3月議会に「法定協議会」設置の議案提出を見送った。
大阪市・横山市長:最前線で賛成反対の議論をするのは、有権者を前にした議員たちです。その向こうの市民も含めて、今の状況を全体的に判断したのが実情です。
目指す先は同じとしながらも、これまで揃えてきた足並みが乱れ始めたのだ。

■このタイミングの会食はなぜ?松井一郎元代表にインタビュー
そんな中、今月4日、関西テレビは市議団の一部が”維新創設者”の松一郎元代表と会食した現場を撮影!
一体なぜこのタイミングでの会食だったのか…今月9日、松井元代表に話を聞いた。
松井一郎元代表:『市会議員も来る』と言うから。2、3人と思って行ったら結構な数来てるから。
(Q:松井さんに話を聞いてほしかった?)
松井一郎元代表:そうかもしれんね。それがおかしい。中でもっと話聞いたれよと思うけどね。

■「党の中でこんな溝できるとは」執行部のあり方にも苦言
会食では”都構想の進め方”をめぐって意見を交わしたということで、いまの維新執行部の”あり方”にも苦言を呈した。
(Q:吉村知事は住民投票やりたいと言っていて、そこに向けてスケジュールを組んでいることについてはどうですか?)
松井一郎元代表:それも1人で決めてるじゃない。吉村さんの独裁でそれに従ってる執行部。執行部というのは、代表に物言える人も必要やと思うで。
橋下社長は、橋下さんは強烈なメッセージ出すけど、周りの話は聞いてくれたよ。残念やわ、ほんまに。党の中でこんな溝できるとは思えへんかったけどね。

■市民と直接向き合う市議団の心境は複雑
「法定協議会」設置の審議は一旦、次の議会へ持ち越しとなった大阪市。
維新の市議団は、4月に市内全域でタウンミーティングを開き、住民に説明をしたうえで、議案への賛否を検討するとしている。
一方、市議団の心境は複雑だ。
大阪維新の会の黒田まりこ市議が朝の駅立ちをしていると、維新の支援者から「吉村大嫌い!都構想反対!」と言う声が。
大阪維新の会・黒田まりこ大阪市議:『都構想しない』って言うから吉村さんに入れたのにって。
法定協議会の立ち上げに関しても、都構想に関しても市議団は反対しているわけではなくて。ただやっぱり市民の方たちの直接前に立つ私たちにしてみたら、やっぱり色んな声があるのが事実なので。今までしてきた説明が変わる場合、丁寧にそこはやっていきたい。
漂流する“大阪都構想”はどこへ向かうのか。

■『3つの聞いてない!」が続き維新内にハレーションが起きた
担当記者によると、吉村知事から維新大阪市議団は『3つの聞いてないよ!』があるそうだ。
・去年9月 都構想挑戦3度目に意欲
・去年10月 電撃連立与党入り
・先月 ダブル選挙
これだけ維新市議団は『聞いていない』ことが続いてしまってハレーションが起きた。
そのために横山市長は別ルートからゆっくり登ることを選んだのではないかという分析だ。

■『もうちょっと仲間のことを考えろよ』松井さんの視点で意見を言っているのでは
維新の“創設者”でもある橋下徹さんは、「吉村さんが猪突猛進にいってしまう気持ちはわかる」と擁護しつつ、維新のゴタゴタ落としどころは「世代交代 大阪維新代表選」と持論を述べた。
橋下徹さん:僕と松井さんの関係なんですけど、僕は仲間のことなんかほとんど考えない。そういう政治やってきて一直線でいってた。ワーワー騒いだけどそれじゃ政治はできなくて、仲間のこともしっかり考える松井さんがいて、ワンセットでやってきたんですよね。
僕はコメンテーターとして、一昨年ぐらいに維新の国会議員団をガンガン批判していました。古い政治をするなと。馬場さん(前代表)今の藤田さん(共同代表)、よく国会議員の代表で出てくる2人の政治は僕から見ると、古い政治だと。飲み食い政治ということでガンガン批判していた。
その同じ熱量で今度は松井さんが松井さんの視点で今の吉村さんのやり方に関して、『もうちょっと仲間のことを考えろよ』っていう視点でガンガン意見言っている。これ非常に重要な参考になる意見だと思いますよ。

■「吉村さんが猪突猛進にいってしまう気持ちはわかる」
橋下徹さん:ただ吉村さん、横山さんは、2010年に僕が“大阪都構想”やりたいっていうことに、仕事を全部捨ててやってきてくれたんですよ。吉村さんは弁護士を辞め、横山さんは大阪府職員の安定した公務員の身分を捨ててきたんです。
普通は、ほとんどの政治家は前職よりも政治家になった方が生活よくなるんですよ。国会議員とか給料高くなっているメンバーばっかりだからしがみつく。しかしこの2人は政治家になったことによって生活レベルが下がっているメンバーです。
だからそれぐらいの覚悟で来たので、吉村さんが猪突猛進にいってしまう気持ちはわかるんだけども、松井さんが言うように、『仲間のことあるやろと。お前だけちゃうやんか』と。
僕なんかも常に言ってます。『俺がいるから今あるんやろう』みたいなことを言っちゃうんですよ。でも松井さんは『みんながいるからだ』と。だから今、横山さんがスタイルを変えて、仲間のことを考えようというスタイルになっています。

■「吉村さんはやりたいの一点張り。ハンドルの遊びがないレーシングカー」松井元代表
吉原キャスター:横山さんから吉村さんに『ちょっと大将落ち着いてください』ってことは言いにくいですか?
橋下徹さん:2人では相当意見交換してしているんだけども、やっぱり最後決定権は代表にあるから、横山さんも意見は言うんだけれども、最後決めるのは吉村さんで決めた結果、こういう感じになっている。
安藤優子さん:政治家っていい意味でも悪い意味でも、うまく立ち回ることができるじゃないですか。でも吉村さんは、うまく立ち回るというより、やり抜くと言ったことはちゃんとやる。うまく立ち回ることは、辞書にはないっていう感じがする。
松井元代表も吉村代表について「吉村さんはやりたいの一点張り。ハンドルの遊びがないレーシングカー。危のうてしゃあない」と発言していましたが、橋下さんはかばう場面も…。
橋下徹さん:ただ僕なんかよりもはるかにうまく立ち回ってて、ハンドルの遊びがない。だけど僕にはハンドルなかったからね。
安藤優子さん:暴走車じゃないですか。
橋下徹さん:吉村さんもそこはやってるんだけども、松井さんから見ればいや、まだまだ。

■維新のゴタゴタ落としどころは「世代交代 大阪維新代表選」
そんな維新のゴタゴタ落としどころは「世代交代 大阪維新代表選」だと橋下さんは話す。
橋下徹さん:吉村さんは大阪府知事としても大功績を残して、僕がとっちらかしたような状況を全部実行してくれて、しかも、大阪に限らず全国の知事みんな4期も5期、10年も16年も20年もみんなやりたい中で、吉村さんは完全にやり切ったっていう感じなんです。だから次も知事選のこと言わないでしょ?国政には出るかも分かんないけど、知事選に出るって言わないでしょ。
維新の中でそれも不満なんですよ。『“大阪都構想”やるんだったらちゃんと責任持って知事やってよ』と。でも吉村さんもやり切った感じ。だからそれだったらもう横山さんにバトンタッチですよ。
代表選はいつやるのか?の聞かれると…
橋下徹さん:府議会、市議会が終わった後で、法定協議会のぎりぎりのタイミングが5月ですから、4月ぐらいに。これは新しい世代で、もうOBやら関係なく、本当に都構想やるかどうかをみんなで議論して。だから反対派の方の東さんが立候補で出てきたらいいと思うんですよ。

■「吉村さんの政治的な感覚で総選挙に乗っかったことが党内で反発」
橋下さんが予想したスケジュールに安藤さんから疑問の声が上がる。
安藤優子さん:この間、ダブル選挙やったわけですよね。あれは“都構想”について有権者に問うたわけですよね。そこで勝ったから今、進めようとしているわけでしょ。その人が世代交代『さいなら』って言っちゃうのは、何かおかしくないですか?矛盾してますよね?
橋下徹さん:そこは安藤さんのおっしゃる通り。だから僕は順番が違うと。先に党内をしっかりまとめて代表選をやって方向性決めてからダブル選が僕の持論だったんですけども、吉村さんの政治的な感覚で総選挙に乗っかった。
そういうことが党内で反発が出る理由でもある。僕、松井さん、吉村さんときた。もう次の世代でしっかり議論をして、反対派の東さんが候補に立って、(賛成派の)横山さんが立って、もう思いっきり議論をやって最後投票で決めると。それで落ち着くんじゃないですか。もう最後はその決定に従うと。
吉村さんはもう日本維新の会の代表として、副首都法案に専念して、都構想はもしやるんだったら横山さんが旗振っていくってことになるんじゃないんですか。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月11日放送)

