自民党が大勝した衆議院選挙から約1カ月。選挙前に新党を結党したものの、惨敗となった中道改革連合の今を追った。
約6万票差「理由が分からない」
「得票数が、なんでこんな減ったんだろう。積み上げてきているつもりだったので、私は…。ちょっと私のなかで、まだ消化できないですね」とうつむきながら話すのは、1カ月前に行なわれた衆議院選挙で福岡2区から出馬したものの議席を失った中道改革連合の稲富修二さん(55)だ。いまも何故ここまで大敗したのか、理由が分からないと振り返る。
衆議院福岡2区で長く自民党の鬼木誠さん(53)と接戦を繰り返してきたことから、“高市旋風”が吹き荒れたとは言え、約6万票の差を付けられる結果は、想定していなかった。

※福岡2区開票結果
鬼木誠氏(自民)⇒13万6442票 稲富修二氏(中道)⇒7万6285票
打ちひしがれていた稲富さんだったが「すごく救いだったのは、選挙のときに丁度オリンピックをやっていた。結構、見ていて、メダルを取ったり、みんな頑張ったりしている姿とか、結構、救われましたよ。落選者は、結構、そう思っている人、多いんじゃないかな」。“敗戦ショック”を和らげてくれたのはオリンピックだった。とはいえ、今後のことはまだ決めることができないと話す。

「落選したら本当に収入をどうするか、事務所をどう維持するかが精一杯。これから政治活動をして、選挙に向けてっていうところまで、まだ至っていない。なんとか収入源を見つけないと…」
『生活者ファースト』再び中道での出馬を
今回の衆院選で167人いた議員は大半が落選し、僅か49人になってしまった中道改革連合。党本部は落選した候補者たちのフォローのため、2月28日にオンラインで意見聴取を行った。

「かつてない厳しい戦いでした。皆さまの胸中にもさまざまな思い、考えがあるかとよくよく拝察しています」(2月28日 小川淳也・中道改革連合代表)

福岡1区から出馬して落選した丸尾圭祐さん(43)は、そのときの状況を「選挙直前の結党に対して、選挙目当ての野合であるという批判をかわすことができなかった反省。戦略についての率直な議論があった」と話す。

それでも、丸尾さんは『生活者ファースト』という中道の理念を守りたいと、次の衆院選にも再び中道での出馬を目指すとしている。

「自民党の安保に関する判断、物価高の対応が本当に国民のためになるのか、というのはかなり危ないんじゃないか。参院選、その次に衆院選となるだろうが、それまでの間、生活者のための政治をするという理念を守っていく」
『立憲』『公明』それとも『中道』?
一方、今、難しい状況に置かれているのが地方議会に所属する議員たちだ。

2月23日に立憲民主党福岡県連で地方議員が集まった会議。中道は、立憲民主党と公明党を離党した衆院選の立候補者で結成されたが、参議院と地方議会の議員は、そのまま2つの党に残っている状態だ。

衆院選を終え、それらの議員から「不安の声」が上がったことを受けて、立憲の福岡県連でも会合がもたれた。大きな焦点は、来年春に実施される統一地方選挙を、どの政党で戦うか。

立憲民主党福岡県連の鬼木誠代表(62)は「来年の統一自治体選挙について、中道改革連合ではなくて、立憲民主党のままで戦いたいという方もいれば、中道に合流していくという議論であるべきではないか、さまざまな意見が出た」と話す。

一方の公明党は、地方議員を中道に合流させず『公明党』として候補を擁立する方針をすでに固め、3月6日、その考えをオンラインで各地方組織に伝えている。

公明党福岡県本部の西尾耕治幹事長(65)は「1年ちょっとの間で、いろんな調整をしなければならないし、時間があまりにもなさ過ぎる。今後は、合流する方向になると思うが、時期がいつなのかはなんとも言えない」と話す。

衆院選から1カ月。中道の名の元に集まろうとした議員たちは早くも大きな岐路を迎えている。
(テレビ西日本)
