北九州市の武内和久市長(54)が、1期目任期の最後の年を迎えた。『稼げる街』の実現に向けた動きが加速する武内市政の今後について話を聞いた。

武内市政1期目 最終年に決意新た

2023年2月の市長選で、政党に頼らない草の根選挙を展開し、与野党相乗りの候補を破った北九州市の武内市長。初当選から3年が経ち1期目最終年を迎え、決意を新たにした。

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「街に明るさと勢いが戻ってきた。そう体感する、手応えがある3年間でした。1期目の最終年となる次の1年も、この3年間で勢いをつけてきた街の明るさと勢いを更に加速していく。そういう1年にしていきます」。

実に60年ぶりに達成した人口の転入超過が2年連続し、企業誘致による投資額も過去最高を更新中。こうした街の勢いを更に加速するキーワードの1つに武内市長は、人工知能=AIを挙げている。

AIのある時代に考える産業・教育

「AIのある時代というのは、産業も人も暮らしも今までと一変していく。読書と併せて教育にも生かしていく。また、フィジカルAIというAIを使ったロボットなどが動いていく」と語る武内市長。

フィジカルAIは、AIによる頭脳を手足にあたるロボットに結びつけ、自律的に動かす技術。市内に本社を置くグローバル企業、安川電機も取り組みを進めている。

教育面でもAIと読書を組み合わせた学力向上策を打ち出すなど、様々な分野での活用を進める方針だ。

「AI時代の子供達、そしてAI時代の産業の在り方、行政の在り方。これを全てアップデートしていく。技術力と産業力を持っている北九州市は、日本でもその先頭を走る力があると確信している」。

カギは『経験を集める』政策

武内市長は、現在、議会で審議中の新年度予算案を『成長加速予算』と銘打って、人・投資・経験の3つを集める政策を柱に据えている。

教育を含む子育て環境や街の魅力を高めて人を集め、起業支援や都市基盤の整備で投資を呼び込む戦略は、定石だが、『経験を集める』という戦略は、地域の特性に鑑みた独自の政策だ。

「知恵や経験のある高年齢者の方、ベテランのプロフェッショナルの方が、たくさんこの街にはいます。そうした方の力をもっと引き出して、もっとお力を借りて、この街の経済と暮らしを元気にしていく。例えば起業経験があって、例えば経理の実務をやったことある方がスタートアップ企業をサポートする。あるいは中小零細企業をサポートすることがあってもいい」と武内市長の期待は大きい。

その他にも地域活動や子育て支援など、様々な分野で高年齢者の経験を掘り起こし街の成長と課題解決に繋いでいく方針だ。

「人材不足の時代と言われますが、私達には膨大な経験と知恵を持った素晴らしい、宝のような高年齢者の皆さんがいる。北九州市は、高齢化が最も進んだ政令指定都市と言われます。でも、それこそが私たちの武器になる。そう確信しています」。

課題は『インフレ時代の都市経営』

『物流拠点化に弾みがつく北九州空港の滑走路延長』、『溶鉱炉の電炉化に向けた日本製鉄の6300億円の投資』、『日産自動車の工場集約に伴う生産体制の拡大』など、就任以来目指してきた『稼げる街』に向けた大きな動きが見えてきた北九州市。

こうした好調な波の中、武内市長が変化する街の課題として挙げた課題は、『インフレ時代の都市経営』だ。

「コストや人件費が上がる中、どうお金をやりくりし、事業の遅れを少しでも小さくするのか」。

そして、もう1つが『街の老朽化』への対応。「メンテナンスのコストをどう賄うのか。維持管理をどうしていくか。ただ、私達は、そこに例えば水道管とか公共施設AIとかドローンとかを使いながらテクノロジーも使いながらメンテナンスをどう賢くやっていくかにもチャレンジをしています」と武内市長は、課題解決を新たなビジネスチャンスに変える工夫も忘れていない。

市長としての任期はあと1年。続く2期目については明言を避けた武内市長だが、これから目指す目標については、明確にした。

「私の中にいつも念頭にあるのは、2043年です。市政が始まって80年。この辺に『次の世代が笑顔でワクワクしながら、この街で過ごしているために』というところから逆算して何が必要か、どんな企業が必要か、どんな手を打っておく必要があるのか、どんな暮らしがいいのか、どんな教育があるべきか、そういったことを発想しながら考えています」。

(テレビ西日本)

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