高市首相が施政方針演説で表明した裁量労働制の見直し検討。
今後、議論が加速しそうですが、そもそも裁量労働制とはどんな働き方でどんな課題があるのでしょうか。
導入している福岡の企業を取材しました。
◆高市首相(去年10月)
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」
この言葉が流行語にもなった高市首相は2月の施政方針演説で、国民の働き方についてこう表明しました。
◆高市首相(2月20日の施政方針演説)
「働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進める」
言及したのは裁量労働制の見直しです。
裁量労働制とは、労働時間などを労働者の裁量に任せ、実際に働いた時間が何時間であっても、あらかじめ決めた一定の時間を働いたとみなし、その分の賃金を労働者に支払う制度のこと。
現在は、研究者やシステムエンジニア、記者など、時間の配分を個人の判断に委ねた方が合理的とされる20の職種などが対象となっていますが、首相はこの制度を拡大する方向で検討を進めるとみられます。
◆記者リポート
「福岡市西区の企業に来ています。こちらの会社では3年ほど前から裁量労働制を導入しています」
2018年に創業し、ワクチンの研究開発や販売などを手掛けるベンチャー企業の「KAICO」。
約3年前に裁量労働制を導入し、現在は社員21人のうちマネージャー職以上の7人が対象となっています。
◆裁量労働制で勤務する社員
「働きやすさ的には裁量労働の方が働きやすい。自由にできるなというところ」
◆裁量労働制で勤務する社員
「気持ち的には、プラスプラス。働く上ではプラスになっている」
一方であえて裁量労働制を選択していないという社員は、その理由について…。
◆固定労働時間で勤務する社員
「子供もまだ小さいので、ライフスタイルとのバランスを考えた時に、オンとオフの切り替えが難しいという一面もあるのかなと」
それでも社長としては、一定のメリットを感じています。
◆KAICO 大和建太 社長
「その日の家庭の事情などで早く帰ったり、家で作業したりすることもできると感じているので、(社員たちに)使って欲しいと思っています。(裁量労働制で)働き方を選択できるのが一番働きやすいし、働きがいが出てくるのではないかと思います」
そんな裁量労働制について街の声は…。
◆コンサルティング(20代)
「好きな時間に好きな仕事ができるのはすごくいいんじゃないかなと思っています」
◆ビル管理(60代)
「きちんと労使関係で双方納得しておけば、必要な制度だと思います」
◆会社員(40代)
「働く時間が長かった時と同じだけの成果を求められると、少し難しいような気がします」
◆人材派遣業 (みなし残業で勤務)
「働き終わった後に、みなし残業ではない方がよかったなと。裁量労働制はない方がうれしいです」
◆人材派遣業(みなし残業で勤務)
「いかに残業をせずに効率良く終わらせるかという観点で働いているので、(制度を導入する)会社が増えてくると、残業の緩和にもつながるのかなと考える」
厚労省によると、2024年時点で裁量労働制(専門業務型)を導入している企業の割合はわずか2.2%。
経済団体などからは対象業種の拡大を求める声が挙がる一方、「残業代なしで働かせる“定額働かせ放題”では」との意見もあります。
専門家は…。
◆西南学院大学 法学部 有田謙司 教授
「(対象職種を)拡大するにしても、裁量労働の中に入れていい業務なのかということを適正に判断して、適正な職種だけを対象にすることを堅持していかないとおかしなことになるのではないかと思います」