コメの価格の高い状態が続き、岡山県内でも販売業者が苦戦を強いられています。おいしさのPRに力を入れたり、ギリギリまで価格を下げたりとあの手この手でこの逆境を乗り切ろうとしています。
◆岡山出身の五輪金メダリストも「炊いて食べたい」岡山県産コメをあらゆる形で消費者にPR
3月3日、ミラノ・コルティナ五輪の金メダリスト、岡山市出身の木村葵来選手(21)に贈られたのは岡山県産のコメ150キロ。
(木村葵来選手)
「地元のコメはかなりパワーになるので、海外遠征に持参して自分で炊いて食べたい」
JAグループが始めた県産米消費拡大キャンペーンの一環で、地元ゆかりのスポーツ選手にコメのPRの一翼を担ってもらうのが狙いです。
キャンペーンの決起集会ではこんなことも。
「シャカシャカシャカ♪」
紙コップに炊き立てのご飯を入れてシェイク!アツアツおむすびの出来上がりです。
(JA岡山中央会 青江伯夫代表理事会長)
「「きぬむすめ」も定着したし 「にこまる」も上昇気流。「岡山はコメどころ」と言われるように、消費者にもっとPRしたい」
◆コメ5キロ・4000円前後で高止まり 備前市の倉庫には25年収穫のコメが大量に…
日本人の主食、コメ。宣伝に力を入れなければ食べてもらえなくなっているのでしょうか。
(萩原渉キャスター)
「備前市のコメの業者の倉庫には去年(2025年)収穫されたコメがたくさん保管されている。この業者では去年と比べ販売量が4割ほど減っている」
親子3代・創業70年余りの備前市の土方商店。3年ほど前に始めた県産米のインターネット販売は、顧客の9割が県外在住でそのネット注文の件数が減っていると言います。
(土方商店 土方将司社長)
「去年は「令和の米騒動」と言われるように、コメが無かったので売れたが、今年は備蓄米・海外産米、去年産の収量が多かったためコメがだぶついている状態」
コメ5キロの小売価格は2000円前後で推移していましたが、25年の「令和のコメ騒動」以降、ほぼ倍の4000円前後で高止まりしています。
◆政府放出の備蓄米、外国産米の流通で25年収穫の国産・銘柄米の買い控え起きる
一方、25年、政府が放出した備蓄米や備蓄米を混ぜたブレンド米、外国産米は、現在も、比較的安い価格で販売されているため、2025年に収穫された国産・銘柄米の買い控えが起きているのです。
(土方商店 土方将司社長)
「うちで扱うコメは全て契約農家(顔が見える生産者)から仕入れている。生産者が心を込めて作ったコメの値段だけでなく、味を伝えるのが仕事」
◆県産「きぬむすめ」10年連続“特A”選出を追い風に…「味は自信ある。間違いない!」とネット通販で売り込む販売店社長
そんな土方さんに先週末、吉報が舞い込みました。コメの食味を審査する食味ランキングで、岡山県産の「きぬむすめ」が10年連続で特Aに選ばれたのです。土方さんは自社のHPを誇らしげに更新しました。
(土方商店 土方将司社長)
「値段はもちろん大事だが、コメは普段食べるもの。おいしくて笑顔になれるコメを届ける自信はある。「10年連続特A」機に食べてもらって、笑顔になってもらえたらうれしい。味は自信ある。間違いない!」
◆コメ販売価格には地元スーパーも苦戦…ポイントカードを使った販売戦略も
岡山市北区のスーパー、グランドマート津高店にも県産米が並びます。
(グランドマート津高店 岡本和恵経理総務本部長)
「岡山は晴れの日が多いので水分とのバランスが良い。日照りに強い「きぬむすめ」は特Aを取った。やはり岡山産の「きぬむすめ」や「コシヒカリ」は 他県産とは一味違うと感じる」
しかし、書き入れ時の週末のコメの販売数は、以前の半分から3分の1程度に落ち込んでいると言います。店を取り仕切る岡本さんは採算が取れるギリギリのラインでの価格設定に苦心し続けています。
(グランドマート津高店 岡本和恵経理総務本部長)
「5キロ3780円(税別)の商品を週4日チラシに掲載。ポイントカード持参で、常にどの銘柄かを3780円(税別)で購入可能に」
◆適正な利益を得るには「今のコメ価格は正常」とも…課題は「生産者から消費者まですべてが納得する適正価格での供給」
一方で、岡本さんは従来のコメの価格が安すぎたのではないかとも指摘します。
(グランドマート津高店 岡本和恵経理総務本部長)
「農家・卸・小売り、全ての経営が成り立つためそれぞれが適正な利益を得るとすれば今の価格は正常。コメは元々の単価が高いので割高感が出てしまうが、油やマヨネーズも倍くらいに値段が上がっている。コメだけがクローズアップされ過ぎているのでは」
生産者から消費者まで全てが納得する適正な価格で地元のおいしいお米を多くの人に味わってもらう。様々な立場の販売業者がこの難しい課題と向き合い続けています。