アメリカとイスラエルがイランへの攻撃を続ける中、アメリカのトランプ大統領はこれまでの攻撃でイラン海軍や空軍は壊滅状態となり、防空能力を喪失させたと成果を強調しました。

アメリカはこれまでに約2000カ所を攻撃したという情報があり、トランプ大統領は「イラン空軍、海軍の戦力はほぼ打ちのめした」という発言をしています。

今後イランへの攻撃はどうなっていくのか、フジテレビ・中本智代子解説副委員長と見ていきます。

まずイスラエルと合同で行った今回のイランへの軍事攻撃ですが、これに関するアメリカ国内の世論を見ていきます。

CNNの最新の世論調査では、今回のイラン攻撃については、半数以上が「支持しない」という結果が出ています。

宮司愛海キャスター:
こういったデータもありますが、トランプ大統領としては中間選挙を前にレガシーを打ち出す狙いで今回、攻撃に踏み込んだのではないかという話もありますが、世論としては、してほしくなかったというところが大きいんですか?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
ですね。ブッシュ政権中に分かったんですけど、戦争を開始すると支持率がぐんと上がるんです。オバマ政権中にトランプ氏は、当時大統領ではなかったんですが、オバマ大統領は自分の支持率を上げるためにイランを攻撃するんだと予想していましたけど、もちろんオバマ氏は攻撃しません。しかし、トランプさんの頭の中には「イラン攻撃イコール支持率上昇」という計算は入っていたかもしれないです。それでもこの結果を見ると、そうではない。支持率を上げるためにやったとここは言えないんですけど、国内の経済、エプスタイン問題から目線をそらすためにやったという声は、明白な必然さが出てくるまでは出続けると思います。

青井実キャスター:
あとは、トランプ氏の強烈な支持基盤「MAGA」ですね。一部有力者らもイラン攻撃に対して反対を表明しているんですが、国民の思いを聞いて今後の戦闘に影響するものでしょうか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
トランプ大統領は、いったん始めてしまった戦争をここでやめるということはないと思うんですね。大統領も軍も、今までにないほど本当に頻繁に情報を公開したり、2000カ所を攻撃したとか、スピーチをしたり動画をアップしたり成果をアピールしているので、今やめてしまったら、議会の承認もなく賛成もないまま一国のリーダーを殺害して終わってしまうというマイナスのポイントだけがクローズアップされて終わってしまうと思うんですね。あとはトランプ支持者、大きな「MAGA」という支持団体がありますが、戦争をしないからトランプをサポートしていると言われているので、そういう人たちは反対を表明しますね。
しかし一方では「福音派」という大きな支持母体がありまして、そちらのほうはイスラエル派なので、もちろん攻撃に賛成しているので、真っ二つという状態ですね。

宮司愛海キャスター:
分断が広がっているわけですが、アメリカ経済への影響も危惧されています。トランプ大統領は原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の閉鎖・封鎖を受けて、海峡を通過するタンカーをアメリカ海軍が必要に応じて護衛すると表明しました。「世界へのエネルギーの自由な流れを確保する」と強調はしているわけですね。

青井実キャスター:
いろんな国のエネルギーが通っていくわけですが、アメリカの株価にも大きな影響が出ているし、肝心の物価高を刺激しては逆効果のような気がするんですが。

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
もちろんそうなんです。トランプ大統領の頭の中というのは、基本的には私はビジネスマインドだと思っていますので、アメリカ経済のダメージは最小限にしたい。世界というよりもアメリカ経済へのダメージを最小限にしたい。さらに、もしエネルギー不足や物価高がさらに上がったらアメリカ国民は黙っていない、つまり支持率がさらに下がってしまうのでそれは避けたい、という意味では長期化はマイナスになると思います。

宮司愛海キャスター:
一方で、軍事作戦に関してのトランプ大統領の発言も少しずつ変わってきているんです。当初、この攻撃は「4週間程度」としていたんですが、現在としては「4週間~5週間を想定していたが、それ以上継続する能力がある」という表現に変わってきています。さらに2日には、トランプ大統領がアメリカ軍の地上部隊の派遣について「ちゅうちょしない」と踏み込んだ発言をしたわけなんですが、一方でヘグセス国防長官はこの地上部隊の派遣については否定しているということで、少しずつ発言内容が変わって強気になっているということで、トランプさんが間違った方向に暴走してしまうのではないかという声もありますが。

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
常に暴走することを警戒していいと思うんですが、発言自体はあまり気にしなくていいです。他にもあまり整合性のない発言、矛盾している発言を繰り返しますし、イラン戦争においては2日で終わらせることができると言いながら5週間以上続くとか、次の指導者は分かっていると言いながら次の指導者は分からない。体制転換を望むと言いながら、体制が少し残ったらそれとディールができるみたいな、矛盾する発言が多いです。これは支持者から見れば交渉のテクニックです。自分の選択肢を全部残して、この人は何をやるのか分からないよと、有利に働かせるためにやっているというんですけど、でも、真実とか信念が見えてこないのは間違いないです。

宮司愛海キャスター:
ディールの一環かもしれないということですが、実際に地上部隊が派遣されてしまうと混迷を極めてしまう、そういった状況も危惧されますが実際、どうなんでしょうか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
その可能性もありますが、パックンさんも言うように、トランプ大統領の発言はそんなに気にしないでいいと思うんですね、その時その時で変わるので。ただ、4週間と言っていたのが4週間~5週間と言っているのは、思ったより手こずっているなという本音がちらっと見えたのかなという気がしないでもないんです。ただ、国防長官と言っていることが違うというのは政権の足並みが乱れているとかそういうことではなくて、結果的に、最終的に決めるのはトランプ大統領ですので、残念ながら内閣にはイエスマンばかりですので、結局は彼が決めるんだと思います。

青井実キャスター:
結果は残したいけど長期化も嫌だ、結構難しいところだと思うんですけど。あと、「大きな波は間もなくやってくる」という発言がありましたが、この波はどういうふうに捉えればいいのか。

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
ビッグウェーブというのは、人員的なビッグウェーブかもしれませんし、最終的にトランプ大統領はもちろん政権転覆もそうですが、核施設、ウラン濃縮施設を完全に破壊したいと思っていると思うんですね。北朝鮮の場合は対話を重視したことで、彼らは核弾頭や弾道ミサイルを持ってしまったと。なので、それは絶対避けたいと言っているので、ウラン濃縮施設の破壊、もしくは人員の投入、あるいはどちらも、ということを考えていると思います。

青井実キャスター:
ただ、ハメネイ師の次男がこのあと世襲で次ぐわけですよね。

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
有力視されてて、基本的にはイラン側は次男を推したいと思っていると思いますが、そうなるとトランプ大統領の描く核放棄は基本的にないので、そうすると彼のイメージ通りにはいかないと思います。

アメリカ・イスラエルのさらなる攻撃につながらないか、まだ懸念が続くということです。