2歳の娘に暴行して死亡させた罪に問われ、逆転無罪が言い渡された父親・今西貴大さん(37)の裁判で、最高裁判所第三小法廷はきのう=3日付で検察側の上告が棄却しました。
最高裁判所は、検察側が上告に当たって主張した内容について「上告理由に当たらない」と指摘。5人の裁判官の「全員一致」で棄却しています。
今西さんの無罪が確定することになります。
■「身体的虐待を加えていたことを示す事情は見出せない」と逆転無罪
今西さんは2歳の娘に対する傷害致死罪などに問われ、1審で懲役12年の実刑判決を受けましたが、おととし11月28日、大阪高裁は逆転無罪を言い渡しました。
高裁の判決は、「身体的虐待を加えていたことを示す事情は見出せない」としていました。
今西さんは、おととし7月に保釈されるまでおよそ5年半、拘置所での勾留が続きました。
判決後、今西さんの弁護団は大阪高等検察庁に対し、上告をしないよう申し入れを行ったほか、7000筆を超える署名を送っていましたが、大阪高検は「上告審で適正な判決を求めるため」と上告していました。
■「6年も人の自由を奪っておいて、さらに自由を奪うのでしょうか」
上告を受け、今西さんは検察への強い怒りを訴えていました。
【今西貴大さん】「6年も人の自由を奪っておいて、さらに自由を奪うのでしょうか。(検察は)自分たちの失敗を覆い隠すためだけに上告をしていると思う。完全無罪が出た今、検察がするべきことは謝罪と検証です」
弁護団は「上告理由など全く見い出せない。許しがたい暴挙だ」と述べていました。
■主任弁護人「無罪確定に心から安堵」「検察の上告によって無罪確定引き延ばされ強い憤り」
主任弁護人の川崎拓也弁護士は、以下のようにコメントしています。
「昨日付で最高裁が検察官の上告を棄却し、今西さんの無罪が確定することになりました。まずは、無実の今西さんの無罪が確定することに心から安堵しています。
控訴審判決は証拠と医学的知見に照らして極めて妥当なものであり、その判断が維持されたのは当然だと思います。
本件は、十分な科学的根拠とは言えない医学的評価をもとに、一人の市民が重大犯罪の疑いをかけられ、長期間身体拘束まで受けた事件でした。
さらに、一審の不当な有罪判決を経て高裁で無罪が言い渡された後も、検察官の上告によって無罪確定が引き延ばされ、今西さんが被告人の立場に置かれ続けたことには強い憤りを感じています。
この事件が、科学的証拠の扱いや訴追のあり方、そして身体拘束の問題について改めて検証が進むきっかけになることを強く望みます」