セクハラ問題で辞任した福井県の前知事に支払われた約6000万円の退職金。この問題をきっかけに、県は全国初となる条例改正案を提出した。知事ら特別職が「懲戒免職相当」以上の不祥事で辞職した場合、退職金の支給を制限したり返還を命じたりできることになる。ただ、すでに退職金を受け取っている杉本前知事には適用されない。
特別職への支給制限を盛り込むのは全国初
県議会はこれまで、セクハラ問題で辞任した杉本前知事に支払われた退職金約6000万円の返還と、制度そのものの見直しを求めていた。
これを受け石田知事は3月3日の県議会で、条例の改正案を提出した。
「地方公務員法上の懲戒処分の対象とならない特別職であっても、懲戒免職相当との認定を受けた場合には、退職手当の支給制限処分を可能とするなど、全国で初めての規定を盛り込んだ内容となっております」(石田嵩人知事)
知事選からハラスメント撲滅を喫緊の課題と位置付けていた石田知事。これまで明確な規定がなかった特別職の不祥事に対し、厳しい姿勢で臨むことを示した。
支払い保留や5年以内の返納も定める
改正案には、退職金の支給を厳しく制限するための具体的な内容が盛り込まれた。
まず、特別職に対し、特別調査員などによる調査が進んでいる場合には、退職金の支払いを保留にできる。さらに、不祥事については、これまでの公金問題以上に範囲を広げ、一般職の懲戒免職に相当すると第三者が認定した場合、議会が議決すれば退職金を支給しないこととする。
現行の条例では、在職中に拘禁刑以上の刑罰を受けた場合以外は、支給の差し止めも返納命令もできない。杉本達治前知事は特別調査委員による調査が継続していた2025年12月4日に辞職。同26日に退職金6162万円の満額が支給された後の1月7日に、杉本前知事のセクハラを認定する報告書が公表された。
さらに、不祥事については、これまでの公金問題以上に範囲を広げ、一般職の懲戒免職に相当すると第三者が認定した場合、議会が議決すれば退職金を支給しないこととする。
今回の改正案には、すでに退職金が支払われた後でも、5年以内であれば返納を求めることができる、という内容も含まれている。
この条例改正案は、今議会で可決される見通しとなっている。
