警察署から出た瞬間、視線を落とし歩く男は、不動産会社の代表で住吉会系列の暴力団幹部・石井寛一容疑者(42)。
8人の容疑者と共謀し、高齢者に相場の数倍高い価格でマンションを売りつけ、現金をだまし取った疑いが持たれている。
1人暮らしや認知症の高齢者狙う
被害総額7億円以上とみられるこの事件。
悪徳不動産会社が狙ったのは1人暮らしや認知症の高齢者で、数万件の高齢者のリストを入手していたとみられている。
石井容疑者らは、神奈川県内の物件を手に入れた価格の約8倍の高値で売りつけていた。
事件が起きたのは、2023年。
石井容疑者らは、「不動産投資をすれば安定した家賃収入が得られる」などと話し、85歳の男性に対して260万円と300万円で購入した2つの物件を、それぞれ2000万円の価値があると信じ込ませ、4000万円をだまし取ったなどの疑いが持たれている。

石井容疑者らは逮捕された事件を含め、40人近い高齢者から総額7億円以上をだまし取っていたとみられている。
石井容疑者が代表を務める「寿不動産」から同様の被害に遭ったという高齢女性の親族を取材すると、その悪質な手口が明らかになった。
被害に遭った女性の親族:
(親族が)1日目に限度額の1000万円、2日目に600万円、あわせて1600万円の被害に遭っています。
親族によると、被害に遭った女性は当時80歳、1人暮らしだったうえ、認知症の診断を受けていたという。
被害に遭った女性の親族:
家に手伝いに行った時に、「マンション投資ってどう思う?」って聞かれた。“マンション投資”なんて言葉が出てくると思わなかったので、「絶対やめてそんなの!」って言った。
翌週、女性が通帳を見せたことにより被害が発覚。
石井容疑者らの不動産会社にオンライン経由で大金を振り込んでいたことが判明した。
被害に遭った女性の親族:
これまで入っていた保険だとか、投資ファンドも全部解約されていた。解約返戻金があるものが、ボンボンって入ってきたんです。(返戻金が)入ってきた翌日に1000万円いかれてるんですね、インターネットバンキングで。
訪問販売など装い被害女性に近づく
親族によると、容疑者グループは被害に遭った女性に訪問販売などを装い近づいてきたという。
被害に遭った女性の親族:
「お久しぶりです。以前お宅に伺った時に、なかなか仕事がうまく行かなくて」って言ったら、「頑張っていれば、いつかいいことありますよって声をかけてくれた」っていう会話から始まったそうなんですね。
このやりとりについて、後日警察から「知人と錯覚させる詐欺のマニュアル」にあるやりとりと指摘されたという。
容疑者らはその後、言葉巧みにマンションの売買契約を進め、女性にスマホだけで完結するネット銀行の口座を開設させたうえ、合計1600万円をだまし取ったとみられている。
ーー親族が詐欺に遭って伝えたいことは?
被害に遭った女性の親族:
(高齢者は)まず知らない人を家に上げない。あとは、ほかに家族・親族がいない中で、はんこ(印鑑)を押さない。資産の話も(親族間で)オープンにできたらよかった。
警視庁は、石井容疑者らが被害者の資産状況を確認したうえで犯行に及んでいたとみていて、余罪についても調べを進めている。
(「イット!」2月25日放送より)
