東日本大震災から15年。いわき震災伝承みらい館では、語り部が体験と教訓を伝え続けている。来館者の目的も「知る」ことから「災害に備える」ことへと変化が見られる中、震災の記憶を次世代に継承する活動が続いている。
元教員が語る震災の記憶
「土地は液状化現象。要するに、埋立地なものですから、地震と共に水が上がってきた。ですから校舎はガタガタだし、体育館は屋根からものが落ちてくるし」
いわき語り部の会の石塚洋悦さんは、当時の凄惨な状況をこのように振り返る。いわき市の中学校で教員を務めた後、4年前から語り部として活動している石塚さんの言葉には、実体験者だからこそ伝えられる重みがある。
石塚さんは「15年経ってはいるけども、忘れないでいて欲しいなと。それを教訓にして欲しい。災害はいつ起こるか分からないので、もう今日話を聞いて、自分がこうしたいと思ったら、すぐそれを実行していただけるとすごく良いのかな」と語る。
来館者が感じた震災の重み
3連休最終日の2月23日、福島県外から家族連れが語り部の話に耳を傾けていた。群馬県から来た11歳の少年は「被害的に大変なのは分かっていたけど、実際に話を聞くと恐ろしさが分かった」と感想を述べた。
また、40代の男性は「家にそんなに震災用のものを備えていないので、まずできることからやりたいなと思った」と話し、語り部の体験談が防災意識の向上につながっていることがうかがえた。
来館者減と未来へのメッセージ
2024年度の来館者数は約3万6200人となり、これまでで最も多かった2023年度より900人ほど減少した。それでも、震災の記憶を風化させないための取り組みは続いている。
5年前から始まった、未来へのメッセージを記入した黄色いハンカチを3月に展示する企画。2026年も作業が進められていて、全国から過去最多の300枚以上が届いているという。
いわき震災伝承みらい館の山崎俊也さんは来館者の変化について、「震災の被害がいわきでもあったことを、知りたいお客様が最初は多かったと思う。今は、これからの災害に備えて、どういう風に学んでいったらよいのか、お客様がご自身で知りたいと思いご来館していただいているのかなと思う」と分析している。
まもなく、私たちは15年目の3月11日を迎える。
震災から15年という節目を迎えても、その記憶と教訓を語り継ぐ取り組みは続いていく。
(福島テレビ)
