「次の質問どうぞ」4連発

「次の質問どうぞ」と4連発し質問に答えない河野外務大臣
「次の質問どうぞ」と4連発し質問に答えない河野外務大臣
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今朝のニュースを見て思わず笑った。
河野太郎外相がまた変人ぶりを発揮しているではないか。
昨日の会見で北方領土についての質問が出たのだが、「次の質問どうぞ」としか答えず、その後3つの質問にも同じ対応だった、というのだ。

記者から「公の場での答えとして不適切ではないか」と文句を言われたが、「交渉に向けての環境をしっかり整えたい」とシレッと答えただけだった。

ロシアのラブロフ外相と
ロシアのラブロフ外相と

河野さんだけでなく、安倍首相も菅官房長官も、日露交渉を前に、ロシアを刺激するような発言を控えているのだが、さすが変人だけあって、発言の控え方もおもしろい。

安倍政権は北方領土の2島先行返還に大きく舵を切り、平和条約締結に向けて本気で動き出した。政権幹部がロシアを刺激しないのは「本気度」の表れだ。

河野外相と外務省記者クラブの関係

 
 

実は河野さんと外務省記者クラブは、そんなに仲がいいわけではないようだ。外相会談などでの冒頭撮影で、河野さんが英語で発言することに対し、記者が日本語でやってほしいと頼んだら、「外務省の記者は英語を理解するくらいの人に所属してほしい」と挑発した。

外務省クラブは政治部の記者が順番に行くので、英語ができない記者も多い。ムカついた記者もいたはずだ。また政治部管轄なので政局的な話に行きがちで、北朝鮮の話ばかり聞いてくることにも河野さんは不満を持っている。

世間はメディアに同情しない

安倍政権が2島先行返還にかじを切ったことに対して、メディアは右も左もあまりいい顔をしていない。交渉を前にロシアに気を使って何も言わないなんて、とんでもない!という論調である。

しかしフジテレビの最新の世論調査では、「2島先行返還」に「2島のみ返還」を合わせると58%で、4島一括返還の30%に対し、ほぼダブルスコアである。多くの国民が「4島一括返還」が現実的でないことに気づいている。

もう一つ、メディアの中には政治家が質問に答えないと「国民の知る権利の侵害だ」とすぐに騒ぐ人がいるが、メディアが期待するほど国民は同情はしてくれない。なぜなら多くのフェイクニュースにみなうんざりしているからだ。

 つまり河野外相の記者に対する失礼な態度について、メディアが大騒ぎするほど世間は気にしていない。

日露両国はおそらく2島先行返還、平和条約締結で合意するだろう。
これに対しメディアや野党は批判するだろうが、おそらく多くの国民が安倍政権の判断を受け入れるのではないだろうか。

(執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫)

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。