車いす同士が激しくぶつかり合うウィルチェアーラグビー期待の新星、橋本勝也選手。
16歳ながら、この8月に世界選手権で初めて世界一に輝いた日本代表のメンバーだ。
 

引きこもりがちだった子供時代

 
 
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福島県出身の橋本選手がウィルチェアーラグビーに出合った時期は、2016年の中学2年生。

「小さい頃は家に引きこもりがちな方で、自分はできないという風に思いがちでした」と話すように、それまでは家に引きこもりがちで、車いすでのスポーツもほぼ未経験だった。
しかし、ウィルチェアーラグビーと出会い、「ラグビーを始めて、今まで引きこもっていた自分が凄く恥ずかしくなってきて、今はまずやってみることを大切にしようって思っています」と考え方が変わった。

14歳の時、ウィルチェアーラグビーの三阪監督が見出したこの“才能”は、ラグビーに夢中になり、競技を始めてわずか1年半で日本代表の一員に選ばれた。
 

発掘された“ダイヤの原石”

 
 

「本当に純粋に『ラグビーというスポーツに出会って、今楽しくて仕方なくて打ち込んでいる』っていうのが誰から見ても伝わってきます」

そう話すのは橋本選手が所属する、東北ストーマーズ監督兼選手の三阪洋行さんだ。
(三阪選手の記事はこちらから
自身もパラリンピックに3大会連続出場し、現在は日本代表のアシスタントコーチも務める三阪さんは「彼が活躍すれば、金メダルを取るための大きな力になる」と実力に太鼓判を押す。

 
 

橋本選手との出会いは「ダイヤの原石を見つけたというか、日本のウィルチェアーラグビーを新しい領域に連れていってくれる“可能性”に出会った瞬間」だったという。

今は三阪さんを始め、リオパラリンピック日本代表の庄子健選手らが、競技歴が短い橋本選手に直接指導を行っている。
 

世界一のプレイヤーになりたい

 
 

「自分は代表に選ばれたといっても主力ではなく、今は経験をさせてもらっている」と謙遜するが、「2020年東京パラリンピックまで、一日一日を無駄にせずに通用するプレーを伸ばすためのトレーニングをしていきたい」と目標は明確だ。

「1試合フル出場できるだけの体力をつけていって、チームを助けていきたい」と、1ゲーム戦い抜くための体作りを課題にあげ、一意専心の気持ちで練習漬けの日々を送っている。
2020年東京パラリンピックまで残された時間は2年弱。どこまで成長できるのか?


橋本選手は最後に、こう話してくれた。
「今ある課題を一つ一つクリアしていって、チームの大黒柱と言うか、世界一のプレイヤーになりたい」
 

橋本勝也(ハシモト・カツヤ)

 
 

2002年5月生まれ 福島県出身 Tohoku Stormers所属。
中学2年でウィルチェアーラグビーを始めるまで、スポーツ経験はほとんどなかったが、競技開始1年半で日本代表に選出された。
18年6月カナダカップで国際戦デビュー。
先天性で手足に欠損があり、障がい別のクラスは障がいが最も軽い3.5クラス。
日本代表でも大砲になる素質を買われ、期待されている。
 

(PARA☆DO!:毎週水曜夜10時54分放送
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