“ホタルの里”に夏がやって来た 自然と人が織りなす奇跡の風景

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  • 自然と人のコラボで出来た「奇跡の風景」
  • “ホタルの里”に訪れた本格的な夏 
  • 暑さを忘れて ~四季折々の表情 

自然と人のコラボで出来た「奇跡の風景」

千葉県君津市にある「清水渓流広場」。
洞窟の奥から差し込む陽の光がハート型に見えるとSNS等で話題となったのが、ここ「濃溝の滝・亀岩の洞窟」だ。

幻想的な風景を創り出すこの洞窟、実は自然にできたものではない。

君津市立久留里城址資料館によると、1660年頃、丘陵地帯であったこの場所は、豊かな森林資源には恵まれていたものの、水田に利用するための平坦な土地が限られており、地元の人から耕地を増やすことが望まれていた。

そこで「川廻し」と言われる独特の方法で川の流れを変える工事が行われることになった。
古い川の部分に水が入らないよう堤を築き、もともとの水の流れによって平らになっていた土地を、水田として利用するようになった。

その過程で、手作業で掘られて出来たのがこの洞窟なのだ。

川廻しは、全国的にも限られた地域でしか見ることのできない独特な景観。
自然と人とが生み出した「奇跡の風景」がここにあるのだ。

“ホタルの里”に訪れた本格的な夏

フジテレビ取材撮影部として、この場所は、梅雨明け前にホタルの撮影取材で訪れている。

夏本番を向かえ、連日のうだるような暑さを忘れさせるかのような神秘的な空間が、今回も自分たちを迎え入れてくれた。木々に囲まれた自然豊かな環境が、訪れた人々の心を癒してくれる。

ホタルが舞い飛んだ今年の初夏

梅雨から初夏にかけては、ホタルが美しい光を放ちながら舞い飛び、夜空を幻想的な空間に変えていく。
そんなホタルたちの姿は来年の初夏まで見納めだ。

ホタルが見られなくなったこの時期、楽しめるのは洞窟に響き渡るセミの大合唱だ。

ただセミの大合唱と言っても、都会で耳にするような騒がしさや暑苦しさは不思議と感じられない。
静謐な川の流れ、岩と緑のカーテンと洞窟に反響するハーモニーが、耳に心地よい。

川のせせらぎとセミしぐれ、そしてひんやりとそよぐ風の三重奏がしばし夏の暑さを忘れさせるのだ。
“ホタルの里”は主役をセミにバトンタッチした後、ゆっくりと夏を終わらせることになる。

暑さを忘れて ~四季折々の表情

洞窟に近づくにつれ、大きくなる滝の音。木々の葉を揺らしたそよ風が、頬に当たるのが心地よい。
ゆっくりと流れる川面には、魚が気持ちよさそうに泳いでいる様子が見て取れる。

訪れた人たちは、そんな涼を感じながら、皆一様にその幻想的な風景を写真に収めていく。

そんな心地よさは、夏だけでない。
四季折々、様々な表情を楽しめるのも、この場所の魅力だ。

春には、美しい新緑が生命の息吹を感じさせてくれる。
秋には、木々が色づき、山を美しく彩る。

人気のきっかけとなった「ハートの光」を見るには、3月と9月の早朝がおすすめなんだとか。
季節ごとに変化する<光と音のハーモニー>。四季折々、様々な表情を楽しむことができる。

【アクセス】
電車:JR久留里線「上総亀山駅」からタクシーで約16分
車:館山自動車道 君津ICより 県道92号線、房総スカイライン経由(約30分)
  圏央道 木更津東ICより 久留里街道、房総スカイライン経由(約37分)

【撮影後記】
私はカメラマンを目指すビデオエンジニアで、音声や照明を担当している。
前回、夕方のニュース番組「プライムニュースイブニング」で<梅雨>をテーマにした企画を初めて担当したが、今回は<夏>をテーマに取材を行った。
撮影機材には、通常の取材で使用するENGカメラのほかに、ドローンを使用した。

放送で使用することを前提としたドローン空撮は初めての経験だった。
先輩方のドローン技術をしっかり学んできたつもりだったが、いざ飛ばしてみると思うようにコントロールできない。頭の中でイメージしていても、それを上手く表現できない。
イメージが強すぎて、表現することがかえって難しくなり、イメージがダメージになることがあった。
自分なりに試行錯誤しながらの取材となった。

ただ、清らかに流れる水の風景、神秘的な洞窟の世界を映像で表現することが出来、その魅力を視聴者に伝えることができたのではないかと思っている。

(執筆:フジテレビ取材撮影部・岸下怜史VE)

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