小泉環境相がスペインでのCOP25で演説へ

小泉進次郎環境相は今、スペインのマドリードで開かれている国連気候変動枠組み条約の
締約国会議=COP25の閣僚会合に出席している。そして日本時間の12月11日夜、各国の代表を前に英語でスピーチを行う予定で、その内容と、話しぶりに注目が集まっている。

日本は、CO2の排出量が多いとされる石炭火力発電について、今後の新設も含め継続していく方針を示していて、一部の国や、会場に詰めかけた環境保護団体からの厳しい批判にさらされている。そうした中、小泉大臣は、スピーチを前に次のように語っている。

「厳しい批判もあると思うが、誠実に丁寧に説明する。日本が世界に胸を張って発信できることがある。できる限り前向きなメッセージを発するために調整はした。COPの場を最大限、日本にプラスになるように活用したい」

この小泉大臣の意気込みが各国や関係者に伝わるかどうか。その点で注目なのが小泉大臣の英語力だ。

「セクシー発言」など得意の英語で厳しい洗礼

小泉大臣は環境相に起用されるにあたり、安倍首相から「海外への発信」も期待されていた。
そこには、アメリカへの留学経験がある小泉大臣の英語での発信への期待も含まれていたはずだ。

ところが、大臣就任後、初の国際舞台となった国連総会などへの出席のためのニューヨーク訪問では、厳しい洗礼を受けた。1つは気候変動に関して英語で「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきです」と発言した、いわゆる「セクシー発言」騒動だ。

 
 
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実際は会見で同席した国連気候変動枠組み条約のフィゲレス前事務局長の過去の発言を引用する形で述べたものだったが、海外メディアには懐疑的に報じられた。

 
 

さらに、記者会見で海外メディアから、石炭火力発電を具体的にどうやって減らしていくか聞かれ、しばし黙考した後、これも英語で、「私は先週大臣になったばかりです」と答えるも、具体的な策を述べることはできず、国内外から批判を受けた。

 
 

小泉英語をパックンがずばり採点!

こうした英語での発信が思わぬ評価に晒された小泉大臣だったが、ではその「英語力」自体は、果たして高いと言えるのだろうか…。

そこで、「日曜報道THE PRIME」では、ハーバード大学出身のタレント・パックンこと、パトリック・ハーラン氏に今年5月に訪米した際の小泉大臣の英語を聞いた上で、採点してもらった。パックンは、次のように述べた。

「冠詞、a ,the, this の使い分けができていません。さらには前置詞が甘い。in が at、at がonになったりしている。Handはapplause、keepはmaintain。単語の認識が微妙に間違ってるところもある…」

 
 
 
 

と、“進次郎英語”を一刀両断!…したかと思いきや、真意はそうではなかった。

「…というのを、全部わすれていい!気にしなくていいです。英会話として100%通じる、100点の英語です

 
 

パックン曰く、小泉英語は、多少の間違いもあるが、伝えたいことが伝わる点で100点満点だというのだ。さらにパックンの高評価は続く。
「外国語で笑いをとるのは大変難しい。それができているのは、すごいなと思う。やっぱり自虐ネタがどこの国でもウケることを、本人が把握している」

英語での「自虐ネタ」を絶賛した。実際にどういうものなのか、一例として小泉大臣の次の発言があげられる。

「Now, we are sitting in front and speaking not Japanese,(いま私たちは皆さんの前に座っていますが、日本語を話してはいません)」
「not English.(英語を話してはいません)」
「We are speaking Japanglish. Broken Japanglish. (話しているのは“ジャパングリッシュ=日本流英語です。“ブロークン・ジャパングリッシュ”)」
「No interpreter. 通訳はいません」(笑)

自らの英語を“日本流英語”と自虐的に話し、笑いを誘っていたのだ。

 
 

「進次郎節」は日本語だけで無く英語も同じ!

こうした小泉英語について、かつて、小泉大臣と共にアメリカを訪問した、自民党の村井英樹衆院議員は、次のように評価する。

「ずっと一緒に小泉大臣の英語を聞いていると、日本語を聞いているような感覚になってくる。言葉も明瞭ですし、伝えたいことを端的に伝えているなと」

短いフレーズで印象的な言葉を使う“進次郎節”は、日本語だけでなく英語でも健在なのだ。例えば…。
「We don’t give up.(諦めちゃだめです)」
「We hope we can see the positive way of looking at the future. (私たちは明るい未来を見ることができる)」
「Not just going looking at the past.(過去を見るだけではだめだ)」
というたたみかけなどは典型的な例だ。

 
 

文法以上に大事なのは「政策の中身」

こうした英語版“進次郎節”について、小泉大臣自身は、次のように自己分析している。

「私の英語はうまいと思いません。文法は間違っているところもたくさんあるし、それを自覚しています。文法ばかり気にして自分が言いたいことを言えないことが一番良くないですね」

 
 

ただ、パックンは、小泉英語について、文法以外の点で釘を刺すことも忘れなかった。

「親しみやすい英語の中にちゃんとした政策が入っていないと軽く、チャラく見えてしまうかもしれない。具体的な政策がその中にあれば、アメリカ人が好む身近な政治家に見える」

小泉大臣は果たして、COP25でのスピーチで、小泉英語を生かしながら、具体的な政策=「中身」を発信し、日本の環境政策をアピールできるか、その真価が問われる。

(フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」制作班)

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