遺骨の引き渡しをめぐる審判

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オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚ら13人の教団幹部の死刑執行からまもなく1年となる。
松本元死刑囚の遺骨は、今も、東京拘置所の中にあるが、東京家庭裁判所で遺骨の引き渡しをめぐる審判が遺族の間で行われていることがFNNの取材で分かった。

四女は受け取りに同意するも散骨を希望

去年7月6日、松本元死刑囚の死刑が執行されたが、松本元死刑囚は、執行直前に「自分の遺骨を四女に引き渡してほしい」との意思を拘置所の刑務官に伝えたとされている。

これを受けて、教団との関係を絶っていた四女は、遺骨の受け取りに同意し、太平洋に散骨する意向を示したものの、「拘置所に保管してほしい」と申し出たため、松本元死刑囚の遺骨は、現在もカギをかけられた状態で、拘置所内に保管されているという。

遺骨の引き渡しを求める妻と三女ら

一方、妻や三女らは「松本元死刑囚の精神状態からすれば、特定の人を指定することはありえない」と主張し、遺骨の引き渡しを求めている。

関係者によると、去年12月、松本元死刑囚の四女が、東京家裁に、遺骨などの所有権の承継者を決める審判を申し立て、今も、三女ら他の遺族との間で、審判が続いているということだ。また、松本元死刑囚の衣服や本などの遺品も、未だに拘置所に残されていて、今後、引き渡しをめぐり争われるとみられている。

家裁では、通常、当事者の主張を踏まえた上で、遺骨やお墓などを引き継ぐ祭祀承継者を指定することになるが、今回の審理は長期化するとみられている。

公安当局は、松本元死刑囚の遺骨や遺品は教団側にとっても、象徴的な意味合いがあるとみていてその行方を注視している。

死刑が執行された13人
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社会部
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