食べ盛りの子供がいる保護者にとって、ありがたい存在の「学食」。そんな公立校の学食が今、相次いで閉鎖に追い込まれる事態が起きているというのです。

宮城県の松島高校では、2022年3月に閉鎖。広島県の基町高校でも、今年3月いっぱいで学食での食事提供がなくなりました。

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9月には全国で学食を運営していた広島県のホーユーが経営破綻。多くの学校で子供たちへの食事の提供がストップする事態に。

高校生の子供がいる保護者たちも、この事態に困惑の色を隠せません。

高校生の保護者:
娘が朝練でちょっと朝早いので、起きるのが大変な時に、学食とかがあると「そこで買っといて」と言えるので助かっていて、学食なくなると困ります。
定食で500円とか450円くらいで食べられるので。娘の学校は管理栄養士さんがいるので、栄養もしっかりと。

高校生の保護者:
やっぱりあったかいのも食べたいだろうし、週3回は学生食堂にしています。

一体、学食の現場で何が起きているのでしょうか?

材料費・光熱費の高騰が追い打ち「苦渋の決断」

「めざまし8」が取材したのは、6月いっぱいで「学食」が閉鎖となった大阪府立桜塚高等学校。なぜ閉鎖になってしまったのか、校長に話を聞いてみると。

大阪府立桜塚高等学校 田尻 肇校長:
(学食を運営する)事業者の利益が上がらないと、継続できないということで。かなりの生徒が弁当を持参し、学食の利用者が減ってきていること。そして、材料、光熱費の高騰が追い打ちになって、今回、事業者さんが撤退という形になりました。もう苦渋の決断でした。

少子化で利用する生徒が減っているなか、物価高が追い打ちとなり、学食を運営する事業者が撤退したというのです。

学食の跡地にできたコンビニ
学食の跡地にできたコンビニ

学食の閉鎖から3カ月、その跡地に桜塚高校が導入したのが、コンビニエンスストアのヤマザキショップでした。

店内には、通常の店舗と同様に、パンやお菓子などが並べられており、手作りのお弁当も販売されています。昼休みには、行列もできていました。

学食があった場所は現在、イートインスペースとなり、食事を楽しむ生徒たちの姿がみられました。

生徒:
(昼食は)おにぎりとハッシュドポテトとフライドポテト。

生徒:
教室に人がいなくなるくらい、みんなめっちゃ使ってます。

生徒:
やばいです、ほんまにやばい。気抜いたら1週間で5000円使ってる。

中には、便利すぎて今までの安かった学食に比べて、出費がかさんでしまっているという生徒もいました。

給食事業者の約6割が「業績悪化」

帝国データバンクによる、「給食事業者の損益の状況」をみてみると、赤字運営になっている業者が34.0%。減益となっているのは29.1%と、実に6割以上の業績が悪化している状態です。

食べ盛りの高校生たちの胃袋を満たしてきた「学食」。少子化と物価高の中、苦境に立たされています。
(めざまし8 11月2日放送)