人の頭に寄生するため外気の影響を受けにくく、繁殖せずに休む季節などがないようだ。東京都保健医療局にも、時期を問わずアタマジラミに関する相談が届く。 

メス・オスの区別は目視では困難だが、メスのアタマジラミが寄生した場合は、1匹だったとしても卵を産み繁殖するという。

シラミとトコジラミは違う

ケジラミの成虫は体長1~2mm程度とアタマジラミより小さく、カニに似た形が特徴。

陰毛に寄生することが多く、性交渉で感染すると考えられる。

ケジラミ(画像提供:東京都保健医療局)
ケジラミ(画像提供:東京都保健医療局)

ごく稀にベッドや衣服を介して感染することもあり、わき毛やまつ毛に寄生するケースもあるという。

衣類などに寄生する吸血前の「コロモジラミ」(画像提供:アース製薬)
衣類などに寄生する吸血前の「コロモジラミ」(画像提供:アース製薬)

コロモジラミの成虫は体長2~4mm程度で、主に人の衣類に寄生する。

同じ服を着続けた状態や万年床(まんねんどこ)の場合、衣類や寝具に卵や成虫が見られることがあるそう。

「ちなみに『トコジラミ』も人の血を吸う害虫ですが、カメムシの仲間でシラミとは異なります。夜間に活動し、体長も5~8mm程度とシラミより大きく、見つけやすいといえるでしょう」(アース製薬担当者)

早期発見・駆除が重要になる

「アタマジラミ」が子供の頭髪に寄生していたら、かゆみや湿疹などを起こしている可能性がある。

子供が頭をかいている姿を見かけたら、まずは頭髪を確認してみてほしい。

子供が頭をかいていたら頭髪の確認を(画像:イメージ)
子供が頭をかいていたら頭髪の確認を(画像:イメージ)

保育園や幼稚園、学校などで集団発生させないために、身近な人によるシラミの早期発見・駆除が重要になる。

体長数ミリのシラミを髪の毛の中から見つけるポイントは「卵」だ。

「アタマジラミの成虫は動きが速いので、見つけるのは困難です。子供の頭が気になるようであれば、卵を探してみましょう。卵は乳白色の楕円形で光沢があります。