ボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」などで知られる漫画家のちばてつやさんが、10月22日、都内の病院で亡くなりました。87歳でした。
ちばてつやさん(2002年):
こんなに繰り返し繰り返し愛されるキャラクターというのは、僕は描いていてすごく充実感を感じますし、物書きとして本当に冥利(みょうり)に尽きる。
1939年、東京都で生まれたちばさんは、6歳の時、旧満州で終戦を迎え、翌年に日本へ引き揚げました。
ちばてつやさん(2014年):
日本中の都会が焼け野原で、日本人たちはみんな貧乏で、何もないところから立ち上がっていった時代を、少年時代を過ごしているので、思い起こしながら少しずつ描き残していきたい。自分の記憶が消える前に。
そうした思いから生まれたのが、不朽の名作「あしたのジョー」でした。
貧しい環境で育った少年・矢吹丈がボクシングに人生をかけ、ライバルとの激闘を通じて成長していく姿を描きました。
ちばてつやさん(2014年):
漫画を描くっていうことは真っ白い紙に命を吹き込むということ。とてもエネルギーが要るんです。
ちばさんは「あしたのジョー」のラストシーンで見せた矢吹丈のほほ笑みについて、こう語っていました。
ちばてつやさん:
生きているとか死んでいるとか考えて全然描いていない。自分が元気なときと、めいっているときと、見ると絵って違うんですね。あの場面だけじゃなくて、絵そのものが持つ、そういう不思議な現象なんですね。
1950年代にデビューして以降、多くのヒット作を生み出してきたちばさん。
2002年に紫綬褒章を受章し、2014年には文化功労者に選ばれました。
さらに2024年には、漫画家として初となる文化勲章を受章しました。
ちばてつやさん(2024年):
手塚治虫さんが一番喜んでくれていると思います。こうして文化のひとつに加えられて、悪書ではなくて文化のひとつになったということで。
2015年からは小学館の「ビッグコミック」で、自身の日常や戦争体験を漫画にした「ひねもすのたり日記」の連載を開始しました。
しかし、2026年の夏ごろ、体調不良での休載を発表。
連載の再開はかなわず、亡くなりました。
ちばてつやさん(2002年):
僕にとっては漫画しかない。この道より自分をいかす道がない。
葬儀は家族葬で執り行われ、後日、お別れの会を予定しているということです。
