都市部での大規模な冠水や川の氾濫を招くゲリラ雷雨に、激しい暴風を伴う台風。
さらには、記録的な猛暑や干ばつなどの異常気象を引き起こすとされる“エルニーニョ現象”がすでに発生しているとみられ、今後“スーパーエルニーニョ”に発展する恐れが高まっています。
気象庁は10日、エルニーニョ現象が前回収束してから2年ぶりに発生しているとみられるとしたうえで、海面水温が平年より2度高くなる可能性があるとの見方を示しました。
気象庁 異常気象情報センター・経田正幸所長:
これまでのエルニーニョ現象の傾向を見ますと、冬にかけて発達して最盛期を迎えるという特徴が多く見られますので、冬にかけてエルニーニョ現象が続くというのは十分考えられます。
気象庁によりますと、エルニーニョ現象が起きると台風が日本から平年より離れた場所で発生しやすくなり、より発達した台風が日本に接近する恐れが高まります。
また、一般的に海面水温が2度以上高くなる“スーパーエルニーニョ”と呼ばれる現象について、気象庁の資料では、10月ごろに起こる可能性が高いと予測されています。
アメリカ海洋大気庁も、秋から冬にかけてスーパーエルニーニョが発生する確率は37%と発表しています。
スーパーエルニーニョは、11年前の2015年にも発生しています。
この年には非常に強い勢力に発達した台風15号が沖縄・石垣島を直撃。
最大瞬間風速71メートルを観測し、車の横転や建物への被害が相次ぎました。
また、年間の台風発生数は27個に達し、そのうち約6割に当たる16個が非常に強い勢力にまで発達しました。
甚大な水害に見舞われたのもこの年です。
茨城・常総市で鬼怒川の堤防が決壊し、広い範囲に濁流が流れ込みました。
この時、関東地方では台風から変わった温帯低気圧の影響で線状降水帯が次々と発生。
関東・東北地方の16地点で観測史上最大の降水量を更新するという記録的な豪雨となりました。
当時のスーパーエルニーニョは翌2016年に終息したものの、各地で深刻な水不足となり、田んぼが干上がるなど米の生育を直撃。
関東有数の水がめ、群馬県の矢木沢ダムも干上がりました。
こうした異常気象の影響は、食料生産を大きく左右します。
日本総研による5月の試算では、スーパーエルニーニョによって農業生産量が減少し、食料価格が前年比13%押し上げられるとしています。
さまざまな事態に備え、日ごろから避難情報の確認や非常用品の準備などの積み重ねが重要となりそうです。