私がお伝えしたいのは、「おもてなしで失点」です。
安倍元総理大臣の国葬では、参列者が献花を行った後、会場を出る際に混雑し、当初の予定よりおよそ1時間の遅れが出ました。
このため、その後の「弔問外交」で海外の要人を待たせてしまうことに。
政府関係者は「完全に失点だ」と話しています。
ポイントはこちら。「遅れを招いた想定の甘さ」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
9月27日に行われた安倍元総理の国葬には国内外から4183人が参列しました。
国葬は、午後5時15分ごろ閉式する予定でしたが、岸田首相や菅前首相が追悼の辞を述べ終わるころには、すでに20分ほど遅れ、献花が始まるとさらに式のスピードが落ちました。
関係者は、参列者に年配者が多く時間がかかったことなどを理由に挙げた上で、「すべての想定が甘かった」と述べました。
また、別の関係者は「海外要人に『来たバスに乗って』というのは無理があった」と振り返りました。
式典の遅れが影響したのが、東京・港区の迎賓館で、岸田首相らが参列した海外要人に挨拶する「弔問外交」日程でした。
海外要人を待たせることになった上、遅れの影響で、レセプションをキャンセルし、帰国を余儀なくされた国もあったということです。
政府関係者は「海外の弔意に礼節をもってこたえることが一つの主眼なのに、海外要人を待たせることになったのは完全に失点だと思う」と嘆きました。
岸田首相は今後、国葬について「検証を行う」方針を明らかにしています。
開催そのものについて、賛否が二分した今回の国葬ですが、進行や運営における政府の「おもてなし」についても検証が必要です。
(フジテレビ政治部 伊藤慎祐)