ワクチン接種などを条件にイベント料金を割り引く「イベントワクワク割」。岸田首相は、感染状況を見た上で開始を検討しているが、その時期は見えてこない。世論調査で、有権者の意識を探った。
「イベントワクワク割」実施を63% 実施しないで32%
FNNは、4月16・17日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1,008人から回答を得た。
調査で、政府の新型コロナウイルス対応を評価する人は59.5%、評価しない人は32.7%だった。
この記事の画像(5枚)また、「イベントワクワク割」について聞くと、「早く実施してほしい」が15.0%、「急がないが実施してほしい」が48.8%。実施してほしい人はあわせて63.8%で、6割を超えた。
一方、「実施してほしくない」は32.6%で、一定数の反対意見があることもわかった。
岸田首相「今すぐ開始するタイミングでない」
「イベントワクワク割」は、新型コロナウイルスワクチンを接種した人や検査で陰性が証明された人に、イベントの料金を2割相当(上限2000円)割り引くものだ。
経済産業省が、昨年、「GoToイベント」に代わる事業として打ち出し、2021年度補正予算には約388億円の予算が盛り込まれている。昨年12月にチケット販売事業社やイベント主催者の公募を始めたが、オミクロン株の感染拡大などを受けて、割引の開始は見送られている。
岸田文雄首相は、感染状況を見た上で、3回目のワクチン接種を条件として開始することを検討している。4月7日にその方針を表明することも検討されたが、結局見送られた。
13日の参院本会議で「イベントワクワク割」の開始時期を問われた岸田首相は、「感染状況などをふまえ慎重に検討する。現時点で直ちに始めることは考えていない」と述べた。15日の衆院厚生労働委員会でも「今すぐ開始するタイミングではない」と強調した。
岸田首相は、17日の石川県内の街頭演説で、「今は平時に近い経済社会活動を取り戻すための移行期間だ」とした上で、「感染対策と経済社会活動を動かす、この2つの課題の両立に腐心している」と心情を吐露した。「イベントワクワク割」の開始時期はまだ見えてこない。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)