■自民党が長野全小選挙区を制す 高市人気を追い風に

衆議院選挙の結果、長野県内の小選挙区は1区から5区まで、自民党がすべての議席を獲得しました。県内の小選挙区を自民党が独占するのは初めてとなります。背景には、高市総理への支持の広がりがあり、各選挙区では新人からベテランまでがそれぞれの戦いを制しました。候補者たちは選挙戦を通じて地域の課題や国政への思いを訴え、当選後には支援者への感謝と今後への決意を語っています。全5区の当選議員が掲げた政策と、当選の喜びの声をまとめました。

■1区 土下座からの再起 若林健太さんが議席奪還

長野1区では、自民党の元職・若林健太さん(62)が当選しました。若林さんは参院議員1期、衆院議員1期を務め、前回の衆院選では政治資金の不記載問題を受けて落選していました。

今回の選挙戦では、高市総理との近さを前面に打ち出し、選挙カーに総理の写真を掲示。SNSを活用した発信にも力を入れました。訴えの中心には、物価上昇を上回る賃上げの実現や、防災・減災を含む地域の安全確保を掲げました。

当選後、若林さんは「この政権に希望を感じていただいた結果だと思っている」と述べ、「責任ある積極財政を進めていきたい」と語りました。また「国政復帰をさせていただいた。期待に応えられるよう全身全霊でまい進したい」と決意を示しました。

■2区 妊娠公表の選挙戦 藤田ひかるさんが初当選

長野2区では、自民党新人の藤田ひかるさん(35)が初当選しました。藤田さんは元外交官で、去年の参院選に続く2度目の国政挑戦でした。

選挙期間中、公示直前に妊娠を公表。SNSでの発信を軸に活動し、屋内での集会を重ねて有権者との対話を重視しました。経済対策や少子化対策、中山間地域の活性化のほか、安全保障分野への取り組みも訴えました。

当選後、藤田さんは涙ながらに支援者へ感謝を述べ、「私一人の勝利ではなく、皆さんで勝ち取った勝利」と語りました。その上で「日本のため、信州のため、長野2区の皆さんのために働いていきたい。ようやくスタートラインに立てた」と決意を述べました。

■3区 小選挙区を奪還 井出庸生さんが6回目当選

長野3区では、自民党前職の井出庸生さん(48)が6回目の当選を果たしました。前回の衆院選では小選挙区で敗れており、今回は議席奪還となりました。

選挙戦では、外交・安全保障や教育投資を主なテーマに掲げ、若年層や無党派層にも訴えかけるため、SNSを活用した情報発信を強化しました。

当選後、井出さんは「小選挙区を取り戻すという思いで結束してくださった皆さんに心から感謝したい」と述べました。また、自民党を巡る一連の問題にも触れ、「政権を任せる選択として判断してもらえた」と語り、「党内でも議論を重ね、ものを言っていく役割を果たしたい」と話しました。

■4区 9回目の勝利 後藤茂之さんがベテランの強さ

長野4区では、自民党前職の後藤茂之さん(70)が9回目の当選を果たしました。後藤さんはこれまでに厚生労働大臣や経済再生担当大臣を歴任しています。

真冬の選挙戦では、街頭演説に加え、屋内での個人演説会も積極的に行いました。教育・子育て政策の充実や、中小企業への支援を訴え、地域経済の底上げを掲げました。

当選後、後藤さんは「解散のもと、みんなで力を合わせてしっかり戦うことができた」と振り返り、「物価高で厳しい状況にある地域の暮らしを支え、地方から日本を元気にしていきたい」と語りました。

■5区 一騎打ち制す 宮下一郎さんが8回目当選

長野5区では、自民党前職の宮下一郎さん(67)が8回目の当選を果たしました。宮下さんは農林水産大臣を務めた経験があります。

選挙戦では、地域をくまなく回る遊説を展開し、寒さ対策として屋内での集会も増やしました。物価高対策に加え、リニア中央新幹線や三遠南信自動車道の整備、東京一極集中の是正などを訴えました。

当選後、宮下さんは「先の読めない選挙で、本当にうれしく、ありがたい気持ちでいっぱい」と喜びを語りました。また、今回の選挙が一騎打ちだったことに触れ、「決して有利な選挙ではなかった」と振り返り、「日本の形を変える仕事に力を尽くしていきたい」と意欲を示しました。

■高市政権の信を問う短期決戦 全国と長野で揺れた選挙構図

今回の衆議院選挙は、急転直下の解散を受けて高市総理が「政権選択選挙」と位置づけて臨んだもので、公示から投開票まで16日間という戦後最短の選挙期間となりました。

真冬の選挙戦となり、候補者や選挙を運営する自治体にとっても慌ただしい日程に。全国的には「高市政権をどう評価するのか」や「消費税減税」などが主な争点となり、前回の衆院選で「政治とカネ」の問題を背景に逆風にさらされた自民党にとっては、高市総理への支持が追い風となる状況がみられました。県内でも応援演説には多くの聴衆が集まり、こうした動きが注目されました。

一方、長野県では、立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を結成したことで、野党の枠組みが変化し、これまで安保法制反対を軸に続いてきた野党共闘が成立しない状況となりました。

こうした全国的な政権選択の構図と、県内独自の政治状況が重なり合う中、「自民全議席独占」という結果的に至りました。

長野放送
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