廃材から産まれた蓄電池が夜の街を照らす街灯のエネルギーに。みやき町で開発・研究されているタイヤ電池が実用化への一歩を踏み出しました。
暗い夜道を照らす街灯。
この街灯の電力源となっているのは昼の間に太陽光エネルギーを蓄えた蓄電池、それも廃棄されたタイヤを原料として作られている「タイヤ電池」です。
【株式会社ルネシス 山崎貞充代表】
「暗くなってくるとこれが反応して蓄えられた電気がLEDの照明、こういうものに電気を付けろ、という指示をする」
みやき町に拠点を置き、開発と研究を続けている山崎貞充さん61歳。
独学で研究を重ね廃タイヤを再利用して原料とした電池を作り出すことに成功しました。
その研究期間は今年で17年目に入ります。
1月9日。この日、タイヤ電池を組み込んだ回路が機能するかどうかを試す実用化に向けた実験が行われ町から生まれた事業に期待を寄せる岡町長や職員の前で街灯の点灯やスマホへの充電などが実演されました。
実用化に向けてはただ機能するだけではなく、安全であることも重要な要素の1つです。
タイヤ電池が安全性の高い、“燃えない電池”であることも今回合わせて実証されました。
【みやき町 岡毅町長】
「燃えないね」
タイヤ電池は電気を作ってためておき必要なときに使用する蓄電池です。
一般的な蓄電池の中の電解液は火を近づけると燃えてしまいますが、タイヤ電池で使われている電解液は燃えにくい成分で作られています。
この燃えにくい電解液は能力が落ちることから一般の蓄電池では使われていませんが、安全面を重視する「タイヤ電池」では燃えにくい電解液を使っています。
この日視察した岡町長はみやき町ならではの活躍に期待を寄せます。
【みやき町 岡毅町長】
「環境政策であったり防災政策というところにタイヤ電池が身近にあるという状況があればその動きに、ぜひ一緒になって歩ませて頂ければ」
もともと実用実験は去年6月ごろに行う予定でしたが想定以上の時間がかかってしまいました。
その原因は絶え間ない好奇心と探究心でした。
【株式会社ルネシス 山崎貞充代表】
「去年の春。去年の春にスタートかけられると思っていたけれど大幅にずれ込みました。能力を上げようということで欲張っていった材料たちがありますのでそれでいろんなものをゼロからやり直さなければいけない。もう一回組み立て直していって時間が相当かかっちゃった、という感じ」
研究の成果もあって現在、蓄電量が去年の1.5倍ほどまで上がったというタイヤ電池。
山崎さんは2030年ごろにはみやき町で工場を稼働させ量産体制を作りたいと話します。
【株式会社ルネシス 山崎貞充代表】
「エネルギーから解放される社会を作り上げていきたいというのがテーマにある。自分たちの生活の中で電気がいっぱい作れるので作られたものをちゃんと蓄えていって使っていけば余分なエネルギー代を払わなくて済むのであくまでもエネルギーフリー、というのが大テーマですね」
タイヤ電池は現在も改良中で、今後はタイヤ8個ほどで家一軒の電気をまかなえる電池を作っていきたいとしています。
また、原料は廃タイヤのほか植物や洗剤など身近なものが使われていて、代表の山崎さんは輸入資源に頼らないこともポイントだと話していました。