【国立療養所菊池恵楓園 入所者自治会 太田 明 会長代行】
「菊池事件は、戦後最悪のえん罪事件。でたらめな裁判で彼は3度、死刑宣告を受けている、3度も」
合志市にある国立療養所菊池恵楓園 入所者自治会の会長代行の太田 明さんです。太田さんが見せてくれたのは、自治会が保管している男性の遺品の数々・・・。
【手紙の朗読】
「ライ病なるが故に偏見的な矛盾に依って、死刑の判決には一時は大地もくづれるほど驚き入りましたが、法の裁きの前には如何ともすることが出来づ」
「今年こそ再審を勝ち得るために身の潔白を主張し、最後迄斗う決意を新たに居しております」
獄中で書かれた手紙などからは、男性が死刑執行の直前まで無実を訴え続けていたことが分かります。
【国立療養所菊池恵楓園 入所者自治会 志村 康 会長(享年92)】
「不満は残るが、これからの運動によって勝ち取っていく。(男性の)お墓には『とっかかりができましたよ、これから仕上げに入ります』との報告をしたい」
特別法廷の違憲性を訴え、裁判で国と闘い、男性の無実を訴え続けた菊池恵楓園 入所者自治会の志村 康 会長は、再審開始を見届けることができないまま、去年、亡くなりました。
志村さんの遺志も引き継ぐ太田さん。「司法の果たすべき責任は大きい」と述べ、再審開始の判断に期待を寄せます。
【国立療養所菊池恵楓園 入所者自治会 太田 明 会長代行】
「我々が期待するのは、再審の開始。官民一体となった無らい県運動の実態、問題に裁判官にどれほど見識があるか。ハンセン病に対する偏見と差別の深刻さを裁判官はどの程度受け止められているか。今度、再審が認められなかったら、4度目の死を迎える。『司法によって、4回殺された』と言えるんじゃないか」
【ハンセン病違憲国賠請求訴訟 全国原告団協議竪山会 竪山 勲 会長】
「(♪ゆりかごの歌)ハンセン病療養所にゆりかごは無かった。ゆりかごに揺られて眠るはずの小さな命は全て、全て殺されていった。私たちにとっては実に悲しい歌」ハンセン病違憲国賠請求訴訟 全国原告団協議会の会長を務める竪山 勲(たてやま・いさお)さんです。
竪山さんは13歳の時にハンセン病を発病し、鹿児島の国立療養所星塚敬愛園に入所。
退所後の今も元ハンセン病患者の先頭に立ち、菊池事件の再審無罪を勝ち取るべく、戦い続けている一人です。
この日は、地元の鹿児島大学で講演を行い、自らの経験とともにハンセン病差別の実態、そして菊池事件への思いを学生らに語りました。
【ハンセン病違憲国賠請求訴訟 全国原告団協議会 竪山 勲 会長】
「(菊池事件では)隔離の療養所の中に特別法廷をつくった。しかし『特別』というのは、特別という名の差別。なんで特別でなければならないのか。憲法違反の法廷でやったら(裁いたら)、憲法違反でない当たり前の正常な条件のもとの法廷で裁き直すというのが当たり前」
竪山さんは、戦友でもある志村さんが遺した言葉を引き合いに、28日への思いを次のように述べます。
【ハンセン病違憲国賠請求訴訟 全国原告団協議会 竪山 勲 会長】
「志村が以前、らい予防違憲国賠訴訟で勝訴判決が出たときに、『司法は生きている』と言った。今、司法は死んでいる、完全に死んでいる。生き返るかどうか、今度。もしこれが何もしない(再審しない)となったら、日本は法治国家じゃない」
『ハンセン病問題で残された最後の山』と菊池事件を表現する竪山さん。再審開始、そして無罪を勝ち取っても、ハンセン病問題が全て解決するわけではないと
強調します。
【ハンセン病違憲国賠請求訴訟 全国原告団協議会 竪山 勲 会長】
「らい予防法が違憲だという判決が出るまでは、合憲だから加害ではない。加害者とは言えない。しかし、違憲だったという判断が出た時点で、『自分たちは加害者側に立たされた』というのを国民は察知しなければいけない。自分が置かれた立場をよく知ることをしないと、ハンセン病問題は永久に終わらない」
(前田 美沙希 記者)
死刑が執行された事件で再審が認められれば、日本では初めてのケースとなり、熊本地裁の判断が注目されます。
(尾谷キャスター)
28日午後2時に、熊本地裁が裁判のやり直し、『再審』を認めるかどうかの決定を出す『菊池事件』について、前田記者とお伝えしました。