愛知県一宮市で去年5月、妊婦が車にはねられ死亡し、おなかにいた赤ちゃんも重い障害を負った事故の裁判。赤ちゃんは、事故の被害者と認められたのでしょうか。

■夫「これだと娘が何もなかったことに」

生まれた時から人工呼吸器が外せない、研谷日七未ちゃん。生後8カ月が経ち、髪の毛はのび、体も少し大きくなったようですが、まだその目で家族の顔を見たことはありません。

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母親の名前は沙也香さん(当時31)です。妊娠9カ月だった去年5月21日、一宮市木曽川町で車にはねられ、帝王切開で取り上げられた日七未ちゃんをその手で抱くことなく、亡くなりました。

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日七未ちゃんも脳に重い障害が残り、今も意識は戻りません。しかし…。

日七未ちゃん父・研谷友太さん:
「起訴状を読み上げた時に、本当に一切名前が入っていない。これだと娘が何もなかったかのようなかたちにされてしまう」

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車を運転していた児野尚子被告(50)は、沙也香さんを死亡させた過失運転致死の罪だけで起訴されました。おなかの中の赤ちゃんは「母体の一部」とみなす、刑法の解釈が背景にあるとみられます。

■胎児は被害者ではないのか…検察側が起訴内容に「追記」

児野被告が起訴内容を認めた去年9月の初公判の後、名古屋地検は、事故と日七未ちゃんの障害との因果関係などについて「補充捜査」を行ってきました。

迎えた26日の裁判で、冒頭に検察側から、初公判以外では異例といえる“2度目の起訴状の読み上げ”がありました。

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これまで、事故で沙也香さんに急性硬膜下血腫の傷害を負わせ死亡させた、とされていた起訴内容に、日七未ちゃんに胎児機能不全を生じさせた、という内容が追記されたのです。

日七未ちゃんに対する過失運転致傷の罪に問うことまでは難しいと判断したとみられますが、「母体の一部」ではなく、日七未ちゃんと名付けられた「1人の人間」が事故で重い障害を負ったことが明確に示されました。

この内容について改めて問われ、「間違いありません」と力なく認めた児野被告(50)。弁護側の質問で、日七未ちゃんに対して次のように述べました。

<児野被告>
「無事に元気に健やかに生まれるはずが、24時間の介護が必要な状態になってしまいました。お母様に一度も会うことも、名前を呼んでもらうこともないまま、お母様の命を奪ってしまい、本当に申し訳ございません」

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