マイホーム事情が激変している。国土交通省が発表した宮崎県内の新設住宅着工戸数は、前年同期比で約20%減少した。背景には全国的な住宅価格の高騰があり、理想の住まいと現実の予算をどう両立させるのか、賢い家選びを取材した。
建築費高騰で着工数が2割減少
宮崎県内において、夢のマイホームが手に届きにくい状況が続いている。

国土交通省が公表した県内の新設住宅着工戸数(4月から11月まで)は、前年の同時期と比較して約20%減少した。資材価格や人件費の上昇に伴う住宅価格の高騰が、消費者の購買意欲に影を落としている現状を物語っている。

マイホーム事情について街のみなさんは…
去年一軒家を購入した男性:
価格が上がっているのは聞いていたが、実際どれほど変わっているのかは分からなかった。マイホームはすごく快適。
去年一軒家を購入した女性:
もう少し前から買っておけばよかったかな。工務店の方も数年前と比べると、ここ最近でぐっとあがってますって話していたので。
購入検討中の女性:
注文住宅よりは建売住宅を考えている。今後、地方に戻るとなると、子どもに残すというまでは価値として残らないので、自分たちの住みきりという感じ。
住宅のコンパクト化で予算を抑制
価格上昇の波を受け、供給側のハウスメーカーや工務店も工夫を凝らしている。

不動産鑑定を行う黒木総合鑑定の黒木勇人社長は、住宅の「サイズ」に変化が起きていると指摘する。
黒木総合鑑定 黒木勇人社長:
以前に比べるとサイズが小さくなっている。予算総額を抑えようと思ったときに、今まで40坪が標準だった分譲住宅も、最近では35坪にすれば5坪分価格が抑えることができる。よりコンパクトなサイズにして、予算が上がらないようにしているメーカーが増えてきている。

ハウスメーカー「アイ・ホーム」の須郷翔太さんは、コロナ禍以降の建築費について「1.5倍ほどに上がっている」と実感を口にする。

同社では、坪数よりも、いかに視覚的に広く見せられるかという設計の工夫に変わってきているという。
また、外壁や屋根のメンテナンスコストがかかりにくい素材や、断熱性能を高めて入居後の光熱費を抑えるなど、ランニングコストを抑える家づくりの提案をしている。

さらに費用を抑える工夫として、工務店が所有する土地で家を建てることで、土地を別途買うよりも仲介手数料などを抑えることができるケースもある。
また、建売住宅や中古住宅を購入してリノベーションするなど、住まいの選択肢は広がっている。
中古マンション市場も1.6倍に上昇
戸建て住宅だけでなく、マンション市場も高騰が続いている。

東京では新築マンションの平均価格が1億円を超える地域もあるが、宮崎県内でもその影響は無視できない。県内の中古マンションの1平方メートルあたりの価格は、この10年間で約1.6倍に上昇した。
今後の見通しについて、黒木社長は「短いスパンで建築費が下がる要素は全く見当たらない。まだ上昇が続いていってもおかしくない」と分析する。
価格高騰下での賢い家選びの視点
住宅価格が高騰する中でも条件や希望を整理して、自分に合った住まいの選び方を考えることが重要だ。

黒木社長は、住宅購入の判断について「自身の年齢や子供の進学などを踏まえた上で、予算が少し背伸びする程度の範囲内に収まるのであれば、それが一つのタイミング」と話す。
政府は住宅ローン控除を2026年も継続する方針を固めている。住宅価格の高騰という厳しい局面ではあるが、一人一人が自身のライフプランに照らし合わせ、幅広い選択肢の中から自分に合った住まいの形をじっくりと見極めることが大切だ。
(テレビ宮崎)