新潟市は、能登半島地震の被災地で行う街区単位の液状化対策について、早ければ2025年度中に、事業を希望するかどうかを住民に問う意向確認に入りたい考えを示した。市は「住民の理解が浸透し、事業に前向きな自治会から意向確認に入る」としているが、“理解の浸透度”や“前向きかどうか”を判断する明確な基準は持ち合わせていない。スケジュール通りに事業が進むかは、依然として不透明だ。

新潟市「2025年度中には住民の意向確認に着手」

街区単位の液状化対策について対象地域に住む住民の理解を得るため、新潟市は2025年11月から自治会単位での説明会を開いている。

自治会単位の説明会(新潟市江南区)
自治会単位の説明会(新潟市江南区)
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年が明け、1月7日に開かれた復旧復興推進本部会議では、2025年末までに事業実施の対象となる63自治会のうち、22の自治会で説明会を開催したことが報告された。

2026年1月以降も順次説明会を開催し、3月までに各自治会で最低1回は説明を行う予定だ。

復旧復興推進本部会議
復旧復興推進本部会議

また、新潟市の鈴木浩信都市政策部長は、「2025年度中に、事業実施に前向きな自治会から意向確認のアンケート調査に着手し、概略設計や試験施工を進めていく」と、事業推進に意欲を示した。

新潟市の中原八一市長は、「自治会単位で説明会を開いても、なお十分に理解が浸透している状況ではないと思う。説明を重ねるごとに理解が広まっていく可能性に期待している」と話し、引き続き住民理解の浸透に努める考えだ。

工事の希望を問う「意向確認」に進むタイミングはどう判断?

250ヘクタールに及ぶ対象地域を3つに分けて2025年に開いた大規模な住民説明会では、住民負担(1坪あたり5250円)と地権者の全員合意という事業実施の要件に反発する住民の声が目立っていた。

新潟市 中原八一 市長
新潟市 中原八一 市長

しかし、新潟市は「自治会単位の説明会では工事完了までの流れや期間など、事業内容に関する質問が増えている」と説明。

空き地が多いエリアでの最終的な地権者同意の取り方や傾斜地での工事方法など、地域や個人の状況に関する質問も増加しているという。

新潟市は、工事についての理解が浸透し、事業に前向きな自治会から、街区単位の液状化対策を希望するかどうかの意向を個別に問うアンケート調査に移るとしている。

“理解が浸透し、事業に前向きな自治会”と判断され、アンケート調査に移るタイミングはどのように決定されるのか?

鈴木都市政策部長は、「何割の住民が理解したとか、熟度がどこまで高まったなど定量的な基準は持っていない。あくまでも自治会を通じて、その話が浸透している、意向調査をしたほうがいいという判断があればアンケート調査に入っていきたい」と述べている。

具体的には、自治会役員の意見も参考に、説明会の出席率や住民の様子、質問内容などから判断していくという。

2028年には対策工事に着手したい考えの新潟市。

長いスパンでの事業となるが、まずは住民への説明を重ねた上で事業に前向きな自治会を見極め、少しでも事業を前進させたい考えだ。

NST新潟総合テレビ
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