今、全国各地で偽物の硬貨が見つかっています。見つかった「100円玉」は、一見すると本物と見分けがつきません。
【発見したお笑いタレント スマイリーキクチさん】「裏が本物なんですけど、ゲームのコインみたいな感じで。これ一大事だと思いました」
昭和に発行された「1万円銀貨」が偽造され、両替で使用される事件も起きています。
偽造硬貨の専門家は、「諸外国では裏社会の産業になっているんです」と指摘します。
さらに取材を進めると、大阪では日本の硬貨に「ゲームセンターのコイン」や韓国の500ウォンなど、「よく似た海外の硬貨」を混ぜて支払う悪質な手口が起きていることもわかりました。
■「100円玉」によく似たニセ硬貨 硬貨偽造は「諸外国では裏社会の産業」
SNSに投稿された動画には、100円玉かと思いきや、アルファベットが反対側に描かれた硬貨が。
【スマイリーキクチさん】「裏が本物なんですけど、表は全然ゲームのコインみたいな感じで、偽100円玉かもしれないと思って。完全に色も同じでしたし、もうあれはわからないと思いましたね」
ニセ硬貨を見つけたのは、お笑いタレントのスマイリーキクチさんで、年末に家族とカプセルトイの店を訪れ、千円札を両替した際に、この偽の100円玉が出てきたといいます。
インターネット上を見てみると中国の通販サイトでは100円硬貨にも見えるコインが売られていまることが判明。
両替機から見つかった100円玉にそっくりのコインは、海外で売られ日本に持ち込まれているのでしょうか?
偽造硬貨に詳しい専門家に聞きました。
【偽造通貨対策研究所 遠藤智彦所長】「人間が見たらバレますよね。もう最初から機械を狙った偽造ですよね。諸外国では、これは産業になっているんです。裏社会の産業といいますか」
では、こうした「ニセ硬貨」はどれくらい横行しているのでしょうか。
■「ゲーセンのコイン」「外国の硬貨」混ぜて支払い
大阪の街を緊急取材した結果、機械を狙った偽造硬貨を見つけるには至りませんでしたが、別の実態が浮かび上がりました。
ある洋菓子店の人は支払いに「ゲームセンターのコイン」が混ぜられていたと話します。
【洋菓子店】「ゲーセンのコイン。色も大きさも100円玉と一緒だったんで、どうしてもうち手作業で、目視でやっているので忙しい時とか見切れなくて」
よく見るとコインの上の方には「アミューズメント」の文字が記されていました。
観光客の多いミナミのエリアでは、外国の硬貨による支払いが横行しているようです。
タバコ店の人が「分からないでしょ」と言って見せてくれたのは、100円玉に混じった韓国の100ウォン硬貨です。
【タバコ店】「混ざっていて、重なっていたら、こちらも6枚あるってなって、ぱっと受け取っちゃうからあとで気が付く」
このように日本の硬貨によく似たコインや外国硬貨を混ぜて支払う、悪質な手口が相次いでいるようです。
■「50円玉じゃなくてワッシャーでした」
こうした事例は、人気のたこ焼き店「たこば」でも。
島田良太店長は「500ウォンとかですかね。500円玉に似たやつで支払われたことがありますね。本当に似てるので老眼鏡かけてなかったら正直わからない」と話します。
韓国の500ウォンは500円硬貨にそっくりですが、日本円に換算するとわずか50円程度。価値は10分の1です。
さらに悪質なケースもあったそうです。
【「たこば」島田良太店長】「すごい忙しいときに、『50円玉でちょうど置いとくね』と言われたので、お客様を信じて後で見たら、50円玉じゃなくてワッシャーでしたね」
ネジを締める際に使うワッシャーという金具で、もはや硬貨ですらないものが使われていたのです。
「忙しい時間帯に多いですね。自動販売機の性能が良くなって昔と違って削ったコインとか使えないので、うちみたいな現金を使ってるお店を狙うんじゃないんですかね」と店長は分析します。
■自動販売機は日本と海外の硬貨を見分けられる?
自動販売機は日本のお金とそれ以外を見分けることができるのか?自動販売機を製造している会社に協力してもらい、実験してみました。
記者が韓国の500ウォンを自動販売機に投入すると、そのまま出てくることが確認できました。
【自動販売機を製造・販売・ゼニスアンドカンパニー 岡英二社長】「過去に50(ウォンを入れて、400円お釣りを取るという手口が横行したもので、業界としても対策されています」
自販機の内部には、お金が入ると一旦受け止める部分があり、ここでグラム数などを感知して、実際のコインかどうかを判断。
もし偽造コインや日本の硬貨ではないコインであれば、そのまま下に落下するような構造になっているそうです。
最近の自販機は高性能なセンサーが不正な硬貨などをはじくといいますが、不正と対策は「いたちごっこ」で100%防ぐことは簡単ではないということです。
■額面1万円の偽造された「昭和天皇在位60年」の記念銀貨が使用された事件
さらに偽造硬貨を巡っては、偽造された額面1万円の「昭和天皇在位60年」の記念銀貨を金融機関で両替した疑いで中国籍の男ら4人が逮捕されました。
偽造された銀貨は本物と比べると光沢がなく、白っぽく見えますが、男らは去年4月以降、全国各地で630枚以上を両替していたとみられています。
大阪のコインショップ「杉本梁江堂」の杉本真介社長は記念硬貨について、「流通経路にはあまりのらない。集めて持っている方は多いと思う。コレクションとして持ってらっしゃいますので、実際に貨幣として使用する方はごくごく一部」と説明します。
偽物かどうか見分ける方法については「毎日見ていると違いが分かってくると思うんですけど。見慣れていないものっていうのは、一般の方であればまずわからない」と語ります。
見分け方のポイントとしては次のように指摘しました。
【「杉本梁江堂」杉本真介社長】「本物の硬貨は『圧印式』で、プレスで銀板に押して鮮明に模様が出るんですけども、偽造の際は鋳型に流し込んでが一般的かと思う。
深さが浅くなってくるんですよね。ぼやけて、肉眼で見られても表面がザラザラしてるような気がする」
■偽造通貨を見つけた時は使用せず近くの警察に届け出を
ニセ硬貨や外国硬貨を巡る相次ぐトラブル。
財務省によると、ニセのお金を作ったり使ったりすれば、通貨偽造や偽造通貨行使の罪で、無期または3年以上の拘禁刑になります。
もし偽造通貨を見つけた時は使用しないで、近くの警察に届け出るようにして欲しいということです。
(関西テレビ「newsランナー」2026年1月12日放送)